太秦からの映画便り

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映写室NO.180「ヤング@ハート」&「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」

映写室NO.180「ヤング@ハート」&「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」     
  ―ロックは永遠の青春!―

 <今週は、ロックがガンガン流れる作品を揃えました> アメリカはマサチューセッツ州の平均年齢80歳のロックンロール・コーラス隊の日常や舞台風景を映したものと、1962年に結成以来世界のロックシーンをリードし続ける永遠の不良青年たち「ローリング・ストーンズ」のライブフィルムと言う、二本のドキュメンタリーを紹介しましょう。
 <片方は素人、片方はプロ中のプロの>スーパースターだけれど、どちらも「ヤング・ハート」を持っていて、しかもどちらも「シャイン・ア・ライト」で、舞台に立つといっそう輝きを増すから凄い。クライスラーのオープンカーをぶっ飛ばす元海兵隊員の78歳のソロシンガーに感情移入するか、皺までもチャーミングな今もってロック体形のミック・ジャガーに感情移入するかは人それぞれでも、思わず体が動き出すこと請け合いの刺激的な2本です。どちらも大人のチャーミングさに溢れ、年を重ねるのも悪くないとたっぷりの元気を貰えるのが嬉しい!

《ヤング@ハート》
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 <「やんちゃな年金生活者たち」と評され>、“ヤング@ハート”と呼ばれるコーラス隊のメンバーは、平均年齢80歳のおじいちゃんとおばあちゃん。年に一度のコンサートに向けて「ザ・クラッシュ」や「トーキング・ヘッズ」の歌を練習するが、メンバーには次々と事件が…。
 <このお年だったら、おとなしくレクエームや叙情歌等>を歌いそうなものなのに、腰を振り手を突き上げてロックと言うのが振るっている。年のせいだと諦めがちだけれど、だからこそ秘めた思いがあるはず。その突破口をロックに持っていけば心も体も輝くはずだと考えた、コーラス隊の演出家のボブ・シルマンの着想が良かった。
 <ボブ・デュランの“Forever Young”を力強く>歌い上げられると、改めて歌の内容を理解するように、肉体は老いても心まで老いてはいない。若さの象徴のような、ジーンズにピンタックの入ったぱりっとした白いシャツを、老人の風格で格調高く着込なす気概を見せて、いつもは腰を曲げて歩く老人が、背筋まで伸びて力強い姿を見せるのも驚きだ。多くのお年寄りを元気付けるだろう。と言っても、なんだかんだ言いながら日本の今のお年よりは元気もパワーもある。こんな老後だって送れると元気付けられるのは、お年寄りに負けてられない私たち予備軍だけれど。

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 <それにしても老人たちの歌うロックの深さ>、歌に人生の重みを加えて、知っている曲がまるで違う世界観を持ち始める。花形スターは92歳だし、癌を患い3回も手術した83歳のジョーは医者に止められてもヨーロッパ・ツアーに参加するという入れ込みよう。押し付けられた年相応のらしさなんて跳ね飛ばす。
 <このコーラス隊の2008年現在のメンバーは>72歳から88歳で、いくら歌は生きがいで生きる事そのものだとは言っても、歳が歳だけに、体調を壊したり鬼門に入る人が後を立たない。1982年結成当時のメンバーはもう残っていないが、その精神は受け継がれている。人は誰も死なずにはおれないのだ。その日までを輝き続けて生き切るお年寄り達が見事だった。
  
  この作品は梅田ガーデンシネマ、シネカノン神戸、京都シネマ等で上映中


《ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト》

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(C) 2008 by WPC Piecemeal, Inc. All Rights Reserved

 <この企画は元々、ザ・ローリング・ストーンズ>のボーカリスト、ミック・ジャガーが持ち出したものだ。当初はブラジルのビーチで開かれる彼らにとっての最大規模のコンサートを映画にしようというものだったが、依頼を受けたマーティン・スコセッシ監督はもっと観客とバンドが密接な空間でのコンサートを撮りたいと、ニューヨークはビーコン・シアターでのライブを持ちかける。こうして監督に押し切られる形でこの映画の撮影の形が決まった。
 <ところが事前に綿密な撮影プランを決め>映像技術を酷使したい監督に対して、メンバーはぎりぎりになっても演奏する曲を決めない。カメラの位置が決まらずいらいらするスコセッシの姿が映り、ライブの主導権は映画の撮影か、瞬発力を大切にして最高のステージにしたいメンバーの思いかと綱引きがあったり、偉大なアーティスト同士、共同作業とは言っても簡単には相手の思うように動かないのだ。

 <そのせめぎ合いも演奏開始とともに吹き飛び>、カメラも観客もロックに心酔していく。圧倒的なパワーのステージだ。流れる汗、真剣な瞳、ステップを踏むセクシーな腰つきとカメラはあらゆる角度からメンバーを追いかけ、観客はその場にいる以上の視点でステージを楽しめる。それでもカメラを先導する自分の姿を映したりと、映画を作る側の姿もフィルムに納めているのは、スコセッシの茶目っ気だろうか。バンドの音楽に一歩も引けをとらず、これはバンドと僕ら映画人のタッグなんだとでも言いたそうに、彼らを映す側の主張を入れているのが面白かった。

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(C) 2008 by WPC Piecemeal, Inc. All Rights Reserved

 <ミック・ジャガーはヤンチャなままで>、歌って踊って時を飛び越える。他のメンバーは体のたるみとかそれなりに年を感じるのに、彼だけは顔の皺以外は未だに身も心も少年。こんな60歳がいるだろうかと若さとセクシーさ、エネルギーに驚く。元恋人のマリアンヌ・フェイスフルがすっかりおばさんになったのとは対象的だ。そんな彼がかき回して、キース・リチャーズ、チャーリー・ウッズ、ロニー・ウッドの嬉しそうな事、目配せの一つ、絶妙に絡む間合いの取り方と4人の仲の良さが浮かび上がる。
 <このプラチナチケットを手に入れた観客の熱狂振り>も見所で、元クリントン大統領夫妻の姿とかセレブ感に溢れ、会場は盛り上がりながらどこか品が良い。かっての不良青年達が不良を続けながら加えた品性が香り立つ。気が付くと私も片隅で嬌声を上げている気分で、映画館はもう一つのプラチナチケットだった。「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」で始まり「サティスファクション」で終るまでの18曲を堪能したい。

  この作品は12月6日(土)よりTOHOシネマズ梅田等全国で上映

 どちらに使われるのもお馴染みの曲ばかり。臨場感だけでなく作品に映画としての格調もあって、ロックファンなら見逃せないドキュメンタリーの2本です。(犬塚芳美)
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コメント


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ミック・ジャガーのペタンこのおなか

横に割れたミック・ジャガーのおなかに感動した。もう1本見ようと思ったが、この感動を薄れさせてはいけないと止めた。若いもんも見ろよ!

素浪人 | URL | 2008年12月05日(Fri)19:21 [EDIT]


しわくちゃだけれどチャーミングですよね

我が家の元熱狂的なファンも、忙しいはずなのにいつの間にか見ていて、感動していました。舞台では見れない角度からのアップも続いて、見ごたえがあります。ミック・ジャガーのスタミナも驚異的!でもステージダンスはちょっと古くて、其処もチャーミングでしたね。年下のバンドをやってた友人達も注目してるので若い人も大勢観るのでは?ここまでのスーパースターはもう出ないかも。

犬塚 | URL | 2008年12月06日(Sat)08:21 [EDIT]


 

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