太秦からの映画便り

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映写室 「ウォー・ダンス 輝け僕らの鼓動」上映案内

映写室 「ウォー・ダンス 輝け僕らの鼓動」上映案内  
―紛争地帯に生きて、音楽と踊りで取り戻す生きる喜び―

 このドキュメンタリーは、アフリカはウガンダ北部の紛争地帯にある避難民キャンプに住む3人の子供たちを主人公に描いたもので、家族や帰るべき家を失い希望の見えない子供たちが、全てをぶつける様に歌い踊って、体の中に生きる喜びを取り戻す様を感動的に捉えている。音楽も踊りも彼らにとっては魂の叫び。黒い肉体の中から民族の誇りをかけて、抑えようにも抑えきれないものが弾け出す。その姿は神々しくさえあり命の輝きを感じるが、同時に背景の悲劇も浮かび上がるのがこの作品の優れた所だ。

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(C)2006 Shine Global, Inc. All rights reserved.

 <3人の口から語られる家族の思い出や>、ここに来た理由はどれも痛ましい。だがもっと痛ましいのは、ここに逃れきれずに紛争に巻き込まれた子供たちで、この地の子供たちは紛争の被害者として家や家族を失っただけでなく、今度は自らが紛争の担い手として少年兵に仕立てあげられ、少女は慰安婦にさせられる。親はそんな悪夢から子供を守ろうと命を落としていくのだった。
 <全国音楽大会>は、年に一度開かれる国中の2万を越す学校が参加する大会で、ウガンダの生徒でこの大会を知らないものはいない。不安定な政治と貧困との命がけの戦いに明け暮れるこの国の生徒にとって、民族の誇りを思い出せるかけがえの無いイベントだ。しかも紛争地帯のキャンプにある学校の参加が認められたのは初めてで、画期的な出来事だった。

 <銃弾の跡も生々しい粗末な学校で>、音楽と踊りに希望を託して瞳を輝かせる子供たち、未来への希望はそこにしかない。2日間もバスに揺られ、兵士に守られてたどり着いた都会で、ビルに目を見張り、電気に驚き、水道に驚愕する子供たち。ここには違う希望もあるのだ。恵まれた地域の子供たちに気後れしながらも、其処は子供のこと、すぐに無邪気さを取り戻して自分たちの音楽に没頭する姿が可愛い。そこが音楽や踊りの力の凄さで、この民族にそれらがあって良かったと思わずにはおれない。民俗音楽のどれもが躍動的で珍しく、黒い肌にはえる鮮やかな民族衣装にも見とれる。子供たちの笑顔に感動を受けながらも、より以上に遠い地の紛争が心に刺さった。(犬塚芳美)

  この作品は、12月20日(土)より第七芸術劇場で上映

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(C)2006 Shine Global, Inc. All rights reserved.

《ちょっとディープに》
 <ウガンダはアフリカ東部に位置し>、ケニアやスーダン、ルワンダ、タンザニアに隣接する内陸部にある。コーヒーや紅茶、綿花等を産出する農業国で、イギリス植民地だったが1962年に独立した。1970年代にアミン大統領が実権を握り悪名高い圧制が始まると、国内情勢は混乱を極めるが、1979年に彼が失脚すると復興に向けてさまざまな動きが起こった。ただ北部では反政府組織(LRA)との戦闘が20年近く続いていて、住民の襲撃や略奪、子供の拉致が横行し、一時は400万人にも上ったほどの多くの国内避難民が発生する。
 <2006年8月のウガンダ政府とLRAの間>での「敵対行為停止合意」以降、南部のスーダンの仲介により和平に向けた交渉が続く。しかし未だに2500万人という人口のうち100万人近くの国内避難民を抱えている。舞台となった“パドンゴ避難民キャンプ”には60万人を超す避難民が暮らし、プライバシーも無い劣悪な環境だけに帰還が急がれる。UNHCRも支援しているが、2008年3月ウガンダ政府がこの地の国内避難民問題は解消したと宣言し、現地支援事務所の撤退が決まるなど現状とあわず問題を残している。
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| | 2013年02月12日(Tue)03:29 [EDIT]


 

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