太秦からの映画便り

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映写室『プライド』金子修介監督と主演のステファニーさんインタビュー(前編)

映写室『プライド』金子修介監督と主演のステファニーさんインタビュー(前編) 
    ― 一条ゆかり漫画家デビュー40周年記念作品―

 新年おめでとう御座います。今年最初の映写室は、新春らしい華やかな作品『プライド』のヒロインと監督のインタビューで幕開けです。本年もご愛読をどうぞよろしく!

 常に時代の真ん中で、変ることなく独特のゴージャスな世界を描き続ける一条ゆかりさんの漫画が、まるでその絵から飛び出したようなぴったりのヒロインを迎えて、映画化されました。原作の世界観を生かしメリハリの効いた映像作品に仕立てたのは、「デスノート」シリーズ等何本も漫画原作の映画化で成功している金子修介監督。際立つ才能と美貌でプライドの高い主人公に挑むのは、2007年に「君がいる限り」でデビューして、日本レコード大賞新人賞を獲得したステファニーさん。暗い世相を吹き飛ばす豪華な作品で、クラシックファンもポップスファンも魅了する音楽劇になっているのも注目点。お二人にこの作品について伺いました。

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(2008年12月12日 大阪にて)

<その前に『プライド』はこんなお話>
 同じ年頃で同じ様に声楽家を目指しながらまるで違う世界に住む二人の出会いは、史緒(ステファニー)の住む豪邸にハウスクリーニングに来た萌(満島ひかり)と、最初から象徴的だった。高価なオペラに行きたがる萌をチケットが余っているからと誘った史緒は、悪気はないもののレコード会社副社長の神野(及川光博)等、華麗な人脈で格差を見せ付ける。史緒が伝説のオペラ歌手の娘と知ると、アル中の母親に苦労しながら二流の音大で学ぶ萌は、思わず「ズルイ!」と呟くのだった。ところが史緒の父の会社が潰れ、世間知らずのお嬢様が一人ぼっちで世間の荒波に晒される事になる。


<金子修介監督と主演のステファニーさんインタビュー>
―設定は特別でも、よく見ると現実的な、誰もが持っている感情を描いているように思いますが。
金子修介監督(以下敬称略):そうなんです。この作品の売りは女同士の戦いですが、実は誰にでも当てはまる話です。エゴは作家とか芸術家なら持っているものでしょうし、自分もそうですが、特に映画監督というのは嫉妬の塊ですから、作品を通してエゴのぶつかり合いを見るのは面白い。自分が当事者だったら大変だけど、他者の物語としては面白い設定です。
ステファニーさん(以下敬称略):萌とかも特に性格が悪いわけではありません。誰もが本来持っているものを、こうやってむき出しに出来る姿が素敵だなあと思いました。
金子:ただそうは言っても、現実のままではない。二人が一緒にオペラを見に行ったシーンで、史緒の恵まれた境遇を知った萌が「ズルイ!」と言います。ここは実は漫画そのままのセリフなんですが、現実にはそこまでは言わないですよね。その後で「言いがかりをつけてるよね、私」と言う自分でのエクスキューズもあるんですが、原作の上手さでもあって、萌というキャラクターを掴む上で重要な箇所です。

―原作の世界観そのままのメリハリが利いたテンポの良い作品でしたが、漫画を映像化するに当たって演技上や演出上で心がけられた事はありますか。
ステファニー:工夫したところは色々あります。史緒は不器用なお嬢様で、誰もが気付くことをお嬢様過ぎて気付きません。最初は恵まれた環境なので、出来るだけ綺麗に落ち着いてゆっくりと気をつけて演じました。でも途中で大きく環境が変わります。その変化をどう演じようかと迷いましたが、注意深く内面を見ると、一途で歌が大好きだしプライドも高いという、本来彼女の持っていたものはそのままです。環境が変わっても史緒の本質は変わらないんだから、私も自分の思った通りに自分らしく演じればいいと思いました。
―お美しいので、史緒と重なる所も多いと思いますが。
ステファニー:一番重なるのは歌です。彼女は母の幻影から逃れられなくて、自分の歌が見つけられない。才能があるのにそれを認められる前に、母親の事やお金持ちとかが注目されてしまって、自分の歌は何なのかと言う悩みをずっと抱えていました。私も歌手デビューし、5オクターブとばかり宣伝されて、他にも表現したいことや自分なりの歌の世界観があるのに、そこが認められなくて苦しみました。でもあるきっかけで史緒は自分に自信を持つことを知り、自分の歌を歌い始めます。私にしても高音が出るのは悪いことではないので、5オクターブの声域と言われるのをマイナスに捕らえず、気にしないで自分の歌を歌えばいいんだと気付きました。史緒のプライドは歌です。歌が好きだし歌には誰にも負けない一途な思いがあるのですが、そこのところは私も一緒だから自信を持とうと思いました。この映画で学んだ大きなところです。

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金子:演出上では芝居の幹の部分からはみ出る部分を排除する工夫をしています。自然な事と言うのは無駄が多いもので、ナチュラルな芝居で物事を表現しようとすると、どうしても間延びする。そういう部分を敢えてやらないとかです。もともと原作の分量が多く、しかも歌は普通の芝居に比べて2倍以上も尺が膨らんでしまうものなのに、その歌がかなりある。だから歌以外のお芝居をテンポよく凝縮しました。
―それを助けるような、及川さんとか皆さんの演技もメリハリが効いて楽しめました。
金子:ええ、それぞれのキャラクターは適役を揃えられたかなと思います。この作品は誰ものキャラクターがはっきりしています。
ステファニー:神野とか山本教授、秘書の有森も癖があって解かりやすいですよね。
―ただ史緒は解かりそうで時々解からなくなりました。
ステファニー:史緒は不器用だから自分の中でも葛藤があるのだと思います。演じていても何を考えているのかたまに解からない時がありました。でもいつもプライドは高い。それは変わりません。
金子:状況で気持ちは揺れ動くんだけれど、考え方は一貫してるんですよ。その場での行動は状況で変わっても、核になるキャラクターは変わらないんだと思います。

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(C) 2008プライド製作委員会

―映像的にもメリハリが利いていて、姿勢が良くて何を着てもゴージャスな史緒と、微妙に前屈みの萌のドレス姿とが対照的でした。あの姿勢は演出でしょうか。
金子:そうです。ただ萌を演じた満島自身がそういう感じなんです。
ステファニー:現場でも話題になって、及川さんが「それ、演技だったら凄いよね」と言っていました。
―満島さんは監督の抜擢だと伺っておりますが、演技だとしたら、仕事とはいえ若い女優さんが偉いなと思いました。
金子:ええ。そのあたりは対照的に際立って出来たかなと思います。彼女とは「ウルトラマンマックス」のオーディションで出会ったんですが、その後も何本か出てくれて見ていたので、萌にいいなと思ったんです。そう言えばアンドロイドの役をやったその時は、背筋を伸ばしていましたね。
ステファニー:ひかりちゃんはさばさばしていて男っぽいと言うか、立ち方とかでもヤンキーっぽい格好とか上手いんですよ。演技に入ったら凄い顔とかもするし、でも外に出たらとたんにニコ―ッと笑って可愛い。切り替えが早くてさっぱりした人です。

―こんな状況を演じるのを楽しんだんでしょうか、本気になったんでしょうか。
ステファニー:楽しんでもいたし本気にもなっていました。萌にビンタをされるシーンがあるんですが、痛いんだけどひかりちゃんが泣きながら叩いてくる。こことかは両方が本気になったシーンです。
金子:殴られた方じゃあなく、殴った方が泣いているんです。そこは何テイクもしたんだけど、鼻水を垂らしながらやっていて、編集で選ぶのが大変でした。(犬塚芳美)
                        <明日に続く>

  この作品は1月17日(土)より、
      梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、
      MOBIX京都、TOHOシネマズ西宮OS他、全国でロードショー
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コメント


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ステファニーファンです。詳しいレポート有難うございます。公開が待ち遠しい!

ツタヤ | URL | 2009年01月05日(Mon)09:20 [EDIT]


今年もよろしく

新年おめでとうございます。
今年も、詳しい映画解説、楽しみにしています。
昨年末の部門別ベストテンは、見たのが二つしかなくて…、また、機会があったら見たいと思います。
ここの映画評のおかげで、これでも、以前よりよく見るようになったのですよ。

大空の亀 | URL | 2009年01月05日(Mon)20:52 [EDIT]


ツタヤ様

この作品はステファニーさんのファンにはこたえられないと思います。ご期待ください。ステファニーさん本当にきれいで、まるで別の世界の人に思えて、インタビューに普通に答えてくださるのが不思議でした。

犬塚 | URL | 2009年01月06日(Tue)08:33 [EDIT]


大空の亀様

こちらの方こそ、今年もよろしく!

超多忙に遊びまわった年末年始が終わって、なんだか久しぶりに向うパソコンが新鮮です。
遠来の客がいたのですが、アメリカでは映画が時に(少し遅れたものを郊外で見ると)1本1ドルで見れるとか。しかも公立図書館でDVDが無料で貸し出されもするそうで(州によって違うので、これはミシガン州アン・アーバーの話だと思ってください)、図書館司書の方は、本だけでなく映画チェックも大切な仕事になったそうです。

そうは言ってもアメリカ映画が主体なので、日本のように多様ではなく、日本のラインナップの多彩さに驚いていました。
ベストテンは個人的好みが大きく、ああ、これも抜けているとか思っています。どの2本をご覧になったのか興味があります。

犬塚 | URL | 2009年01月06日(Tue)08:42 [EDIT]


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| | 2013年01月12日(Sat)20:55 [EDIT]


 

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