太秦からの映画便り

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映写室「ノン子36歳(家事手伝い)」熊切和嘉監督と星野源さんインタビュー(前編)

映写室「ノン子36歳(家事手伝い)」熊切和嘉監督と星野源さんインタビュー(前編) 
   ―駄目な人たちの何をやっても駄目になる話の向こうの微かな救い―

 やる気なし、お金なし、男なし、離婚歴ありの三十路の女が、ひょんな事から、もっと駄目な年下クンと出会う。彼の夢はお祭りの縁日でひよこを売って、一山当てたら世界に飛び出すことだった。そんなイタくて甘い話を、どこか懐かしい風景の中で伸びやかに展開したのは熊切和嘉監督。坂井真紀さんとベッドシーンも演じると言う、駄目駄目ながら癒しの年下クンを「SAKEROCK」のギタリストとしても活躍し、舞台でも活躍中の星野源さんが切なく演じます。お二人に伺う撮影秘話です。

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(2008年12月15日 大阪にて)

《その前に「ノン子36歳(家事手伝い)」はこんなお話》 
 東京で芸能人をやっていたのに、鳴かず飛ばずで夫の宇田川(鶴見辰吾)と離婚して実家に舞い戻ったノン子(坂井真紀)は、やる気のない自堕落な暮らし。父親には叱られ母親は腫れ物に触るように扱う。そんなところへ、実家の神社のお祭りに境内でひよこを売らせて欲しいとマサル(星野源)がやってくる。頓珍漢でも真っ直ぐな彼の何かがノン子を癒し…。


<熊切和嘉監督と星野源さんインタビュー>
―何だか女としては辛い映画でしたが。
熊切和嘉監督(以下敬称略):この物語を思いついたのは共同脚本の宇田川さんと僕が年上の女性が好きで、わりとマサル視点で思いついた事なんです。それが5年前で、こんな女の人がいたら良いよねと妄想モードでした。具体的に女性映画を撮ることになってこんな風に変わっていきました。
―孤独感を体にも重みを置いて描いています。と言うか、心以上に体の寂しさに比重のある作品に見えますが。
熊切:心と体を分けているわけではないのですが、僕は映画を皮膚感覚で作るところがあって、そういうところが出たのかなと思います。
―マサルにノン子の寂しさが見えたのでしょうか。
星野源さん(以下敬称略):もちろん感じるものはあったのでしょう。このところ『人のセックスを笑うな』とか、年上の女の人とのセックスや恋愛が映画になりますが、この作品はそれ以上に、マサルにとってノン子の生きにくそうなところが、自分と通じたのかなと思います。

―撮影中に緊張したのは?
熊切:撮影が始まるまでにも、本当に作れるかどうかで胃の痛くなる思いをずいぶんしました。撮影ではノン子と宇田川のセックスシーンは、長回しで会話から入ってそのまま行きたかったんですが、デリケートなシーンなのでそんなに何度も出来ません。芝居は良かったけれど撮影が駄目だったとなっては困る。一回で決めたいと緊張しました。後、ひよこや鶏を映すのも大変で、鶏が橋を渡るシーンが1回で撮れず、翌日もう1回撮って3回目でやっと決まりました。
星野:マサルとしては、チェーンソーで暴れるシーンが、暴れるシーンで使うのは贋物でも、それ以外は本物なので重くて筋肉痛になって大変でした。その前のぼこぼこにされるシーンも大変で、擦り剥いた傷の跡が今でも残っています。本当はあそこまで暴れなくても良かったんだけど、芝居の流れで暴れたくなって自分でそうしました。

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(C)『ノン子36歳(家事手伝い)』FilmPartners

―監督は坂井さんと3度目ですが、相性というか坂井さんの魅力は。
熊切:良く聞かれるんですが一番は馬が合うと言うか通じると言うか。段から魅力的な方ですが、映画に出てもらうともっとしっくり来ます。一番思うのは嘘っぽいことが嫌いな人と言うか、そういう気がします。後、笑う時に思いっきり笑う、それがいいなと思います。
―マサルから見て坂井さんはどうでしたか。
星野:年上の女性に憧れるという気持ちは、誰にでもあるじゃあないでしょうか。マサルのシチュエーションは羨ましいです。実際の坂井さんは凄く優しくて、話していても色々冗談を言ったりして緊張を解してくれました。僕は頭ん中中学生なんで、くだらない下ネタ等すぐ飛び出すんですが合わせてくれるんです。
―星野さんの起用はどんなところから?
熊切:彼が出ていた『69』に僕の仲の良い役者も出ていて、源君いいよと言う噂を聞いていました。でも『69』を見た時はどれが彼だか解らなかったんです。「赤犬」と彼のバンド「SAKEROCK」のジョイントライブを見て、それで『69』のウンコをする人だと気付きました。(良いな。いつか一緒に仕事をしそうだな)と思っていたんです。今回何人かの候補の中から彼になった決め手は、彼だとマサルの役が重くなり過ぎない気がして、それがいいなと。チェーンソーを振り回しても何処か笑えるようになりそうだなとか、それと笑顔の印象があって良い人そうなので、やってることはむちゃくちゃだけれど、良い奴だなあと言うのが映ればいいなと思いました。出来上がったひよこを呼ぶシーンを見て、大正解だったと確信しました。彼にやってもらってよかったと思います。
―ちなみにひよこは何羽位撮影に使ったのでしょう。
熊切:4000羽です。ひよこは成長が早くてすぐに白い羽が出てくる。よく見ると映像が繋がっていないんです。撮影の後は日大の生物学科に引き取ってもらいました。

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―監督の演技指導はどうでしたか。
星野:台本を読んだ時は怖い役なのかな、もっと狂気が前に出ているのかなと思いました。でも入ってみると、マサルは真っ直ぐなだけでちょっとだけ狂気が見え隠れする人だと気付いて、なるほどそっちかと。ただこの撮影の前にハイテンションな作品を撮っていたので、この映画でもそのテンションが残って自分が余計なことをしないかと心配でした。そうしたら監督から「何もしないでいいよ、自分のトーンで行ってくれ」と言われたので、自分のままでと思ったんですが、やってみると何かが違う。自分をなくして空っぽの中に監督の思いを入れたほうがしっくり来ると気付いて、そこからは空っぽにして、横から監督が入れてくれる念でやりました。演技はしていないのかもしれません。役つくりもしてないのかもしれない。自分は何も考えず、監督の放つビームで演じているんです。(犬塚芳美)   <明日に続く>
  関西では2月14日(土)より、第七藝術劇場、京都シネマで上映
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| | 2013年03月31日(Sun)09:40 [EDIT]


 

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