太秦からの映画便り

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映写室NO.194イエスマン“YES”は人生のパスワード

映写室NO.194 イエスマン“YES”は人生のパスワード
   ― もしも、すべてに“YES”と答えたら―

 <人生もパソコンも>、前に進む時の選択肢は “YES”か“NO”。二つに一つしかない。人生や演習の複雑な結論も、結局は単純なこの選択の繰り返しでたどり着いて行く。それも、右利き、左利きの癖があるように、人の選択には癖がある。そんなつもりは無くてもたいてい同じ選択をしてしまうものだ。
 <面倒な事が嫌いで、いつも“NO”と言っていた男>が、ある日を境に全てに“YES”と言うルールを自分にかせる。現代の喜劇王ジム・キャリーが、ハチャメチャな中にも味わい深く“イエスマン”を演じています。後ろ向きの人生はつまらない。 “イエスマン”になって新しい世界に踏み出したいと、これを見ると思うだろう。と言っても、日本人の得意な嫌々ながらの“YES”は駄目。明るい肯定的な“YES”でないと、未来は変らない。

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(C) 2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. - U.S., CANADA, BAHAMAS & BERMUDA. (C) 2008 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED - ALL OTHER TERRITORIES.

<荒筋> 
 カール(ジム・キャリー)は、面倒くさい電話には出ず、友だちからの誘いも口実を見つけては断る。仕事先の銀行でも融資の申し込みを却下してばかり。ある日悪夢にうなされ、友人の薦めるセミナーに行くと、何にでも“YES”と答える事を約束させられる。帰り道に早速“YES”と答えてとんだ災難に。でも思わぬ出会いも…。


 <奇想天外な話だけれど>、こんな無謀なルールを自分にかして実践した人がいる。ダニー・ウォレスという、TVのパーソナリティも務めるイギリスのユーモア作家がその人だ。 この作品は彼の回顧録を基にしていて、原作はベストセラーにもなっている。7ヶ月間あらゆることに“YES”といい続けたら、何が起ったか?
 <実は私は、こんな実験をしたというウォレス>の心境に、「何故?」と興味を抱いたのだけれど、映画同様きっかけは失恋だったらしい。まるで人生を捨てたように全てにネガティブになった彼に、誰かが何気なく言った「もっと“YES”と言わなきゃ」の一言がガツンと響いて、“YES”の大暴走が始まっていく。確かに「もっと“YES”と言わなきゃ」の一言、私も色々な人に言いたい。“YES”は未来への扉を開けるが、“NO”は扉の向こうを想像する事もないのだ。

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(C) 2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. - U.S., CANADA, BAHAMAS & BERMUDA. (C) 2008 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED - ALL OTHER TERRITORIES.


 <幾通りもの笑顔を持つジム・キャリーが>、重くなり過ぎず、軽くなり過ぎず、カールの素敵さとかっこ悪さを、絶妙のバランスで体現していく。彼は、ハンサムな顔をこれでもかと言うほど歪め、ハチャメチャに崩すのが大好きな、体も心も天性のコメディアンなのだ。少し年を感じさせる憂いが、若い頃にはなかった陰影で、テンポの良い笑いの中に人生の深さを忍び込ませる。彼ほどの天才でも、年と言う味方が必要な本物のコメディアンは、これからなのだ。コメディって人生のペーソスがあってこそだと、改めて思う。

 <さあ、カールの日常が変り始めた> 一番大きな変化の予感は、今まで知らないタイプの女性アリソン(ゾーイ・デシャネル)に出会ったことだろう。多分彼女は、カールが“YES”といい続けて到着した新しい世界の元々の住人、“YES”“NO”に縛られず、自由に自分らしさを築ける女性だと思う。カールがライブハウスで舞台に立つアリソンを見付けた時の胸の高鳴りが聞こえるようではないか。
 <そうなのだ、人生が大きく変るのは>、この人に受け入れてもらいたい、自分に“YES”と言って欲しいと言う、人生のパートナーに出会った時。この映画そんな恋のときめきもリアルに伝えてくれる。最初はルールに従っただけでも、この頃からの彼は“YES”の効力に目が覚めていく。見ている私もいつの間にか“YES”信者になっていたけれど。

 <尋ねる前から答えのわかるような>、何にでも“NO”という人は確かにいる。逆に、たいていの事には“YES”と言ってくれる人もいるものだ。人として賢明なのは両方を上手く判断する人だろうけれど、“YES”と“NO”の間の本人の事情には、実はあまり違いがないことも多い。無理をすれば“YES”と言えなくもないし、自分の都合を優先すればたいていの事は“NO”になってしまうものだ。“イエスマン”とは、とりあえず回りに合わせると言う事だろう。いや、合わせると言うのは違うかもしれない。目の前の事を肯定的に受け入れると考えてもいい。それでも自分は保てるのか、自分の人生はあるのか、喜劇の中に深い命題を含んだ作品だと思う。(犬塚芳美)


この作品は、3月20日(金)より、
     梅田ピカデリー、なんばパークスシネマ、
     ワーナー・マイカル・シネマズ茨木、MOVIX京都等で上映


《ちょっと横道に》 
 <ジム・キャリーが作中でカールになりきり>、“YES”と言って巻き込まれる、あらゆるシチュエーションに対応するため、色々な事に挑戦している。圧巻は、最悪の事態に備え会社から最終日の撮影でやっとオーケーが出た、橋の上からのバンジ―ジャンプ。こうしてみると彼自身が究極のイエスマンなんだと思える。
 <“YES”と“NO”で進んでいく占い等で>、もしその一つに違う選択をしたらどうなるのだろう? と思って、時々やってみるが、其処に思考が入ると、たいていは途中で同じ経路に返って行く。一つくらい違う選択をしても性格までは変わらない。結局同じ結論にたどり着くのは占いの組み立てかたがが正しいとも言えるのだ。本気で人生や性格をかえようと思ったら、この物語のように、機械的に“YES”あるいは“NO“と言わないといけないのだろう。
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journalist-net | 2009年03月18日(Wed) 07:49


 
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