太秦からの映画便り

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映写室 「スター・トレック」&「ターミネーター4」シネマエッセイ

映写室 「スター・トレック」&「ターミネーター4」シネマエッセイ     
―映画館で時空の旅―

 TVシリーズが懐かしい「スター・トレック」と、今やカリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツネッガーを一気にスターダムに押し上げた「ターミネーター」という、一世を風靡したSFの新作が揃って上映中だ。考えてみると片方は宇宙戦争、片方は人間と知的ロボットの戦いとまるで違うんだけれど、CGの酷使や、国家や人類、時空を超えて戦うと言う意味で私的には同じジャンル。映画館が夏休みの子供たちに占領される前に観てきました。

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(C) 2008 Paramount Pictures. Star Trek and Related Marks and Logos are Trademarks of CBS Studio Inc. All Rights Reserved.

 <「スター・トレック」は色々なシリーズがあるが>私の場合印象深いのは最初の第1シリーズ。皆が寝静まった頃、深夜の再放送をよく観た。まるで自分が「エンタープライズ号」の1員になって宇宙旅行をしているような不思議な現実離脱感。宇宙の彼方までワープしながら眠りに落ちていた気がする。
 <新作はこの最初のシリーズの始まる前の物語> クールさが魅力の耳のとがったバルカン星人ミスター・スポックなんて、あの彼をそのまま若くしたみたいだし、血気にはやるカークも往年の名船長の面影があるとか、キャストはこの時のメンバーによく似ている。こんな時代を経て冷静沈着なキャップテンが出来たのだと、命知らずの若者たちの青春物語をハラハラと楽しんだ。嬉しいのが、ちょっとレトロなワープや転送の仕組みで、「ワープ」と言う声と共に画面がシュワーとなると、観ているほうも身をちじめて何処かに連れ去られる気分。懐かしいなあこの感覚、ウン十年前とちっとも変わっていない。新作だけど、時代的には今までより古い設定だから、微妙な古さと言うか時代感も出している。CGを使いこなした上での手触り感、そのあたりのクリエーターの工夫の後も楽しみたい。
 <アメリカでは1966年に始まったこのシリーズ>、まだ東西の冷戦構造の残っていた頃から、もうすでにクリエーターたちの想像は国境を越えてはるか宇宙を飛んでいたんだと、SF黎明期に思いを馳せた。今は逆に想像が広がらなくて内向しているみたい。

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 <さて、「ターミネーター4」は近未来のお話>今からだと後10年もない2018年の設定になる。このところ、古い作品が毎週のようにテレビ放映されたから、リアルタイムで見逃した人も「ターミネーター」通になっているかも。ところでちょっと自慢だけれど、私が観たのはリアルタイム。どんな内容かも知らないで新京極のロキシーで2本立ての付録のつもりで観た。肝心のお目当てが何だったかは忘れたけれど、B級作品のこちらのほうだけが鮮明に記憶に残っているという訳だ。
 <大まかな話は>、軍事産業が作ったスカイネットが自我に目覚め、機械軍を結成して人類の滅亡を図るというもの。米国とソ連の核戦争が勃発して多くの人類が命を落とした審判の日の後、生き残った人々がジョン・コナーを中心に纏まり、ロボットに戦いを挑んでいく。過去や未来と時空を行き来するのが物語の特徴で、機械軍は未来から過去へとターミネーターを送り込み、コナーをその誕生の前、つまり母親や父親の時代から抹殺しようとするし、人類のほうもコナーに絡む人を守ろうとターミネーターに戦いを挑む。最初は憎らしい不死身の殺人ロボットだったのに、人気沸騰したシュワルツネッガーはいつの間にか良い役。これって何か物足りないけど、今回もカメオ出演している。

 <84年に作られた1作目は>ジョン・コナーの母親になるサラ・コナーを守るお話。まだ物語の全容が見えず、未来から転送されて立ち上る湯気と共に裸でうずくまる若者の、得体の知れなさに受けた衝撃は忘れられない。だから訳が解らずに逃げ回るサラの恐怖に感情移入するのはたやすかった。ホンダのバイクで逃げ回る姿がこの頃の日本人には妙に誇らしかったものだ。91年の2作目は少年になったジョン・コナーを守るお話、たしか美松劇場のラストランで観た。3作目は青年になったジョン・コナーの苦悩で、スカイネットの無差別殺人と核戦争の始まりだった。

 <そして新作は核戦争の後の物語で>、スカイネットとの激しい戦いの中で、ジョン・コナーの命令で過去に送られてサラを救い、やがてコナーの父となるカイル・リースを救う話だ。こうして書くとなんかややこしいけれど、観れば解ると思う。今回は脳と心臓だけが人間と言う新しい人種(ターミネーター?)が登場して、人間とは何かも問いかけてきた。

 <実はこの視点>、「スター・トレック」でも感情を持たないバルカン星人のスポックに絡めて問いかけてくるもの。CGを酷使し未来や過去と自由自在に行き来しながら、問いかけるのが人間性というのがどちらもの作品の温かみだ。ちなみに両方に登場するのがロシア生まれのアントン・イェルチン。「ターミネーター4」ではカイル・リースに扮するし、「スター・トレック」ではクルーで転送の名人に扮する。気弱そうな瞳がなぜか尾を引く青年で、日本で言えば福山雅治君。もうすぐ公開の主演作「チャーリー・バレットの男子トイレ相談室」も乙な味わいなのでお楽しみに!

 <ところで未来の人類は>宇宙に飛び出すのか、地球で殺戮を繰り返すのか、それとも友愛の道があるのか? いつの間にか時間的に身近(?)になったSF作品でそんなことを考えた。ミニシアター系も良い。邦画も良い。でも映画だからこそ出来る、創造的なこんな作品も見逃せない。このスケール感、両方とも映画館の大スクリーンと大音量でこそ楽しみたい作品だ。日常をタイムトリップしに映画館へ行こう!(犬塚芳美)

   両作品とも全国で上映中。

<お知らせ> 
 ミニシアターからシネコンまでの関西の映画館情報を満載した「CINEMA,CINEMA,CINEMA 映画館に行こう!関西映画館情報」と言う本があります。観客側と館主側の双方から紹介するコアな情報、観たい作品を追いかけて映画館めぐりを楽しみませんか。ちなみに東映太秦映画村やユニバーサルスタジオジャパンの大人の為の探訪記、各国の映画館情報、成人映画館の情報、映画を作る側、見せる側、見る側の視点での身近な話も載っています。ご注文は(075-721-1061)、あるいは創風社出版(089-953-3153)まで。
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コメント


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「重力ピエロ」観てきましたよ!よかった!!!これも見に行かねばならない!

kawa | URL | 2009年06月14日(Sun)10:05 [EDIT]


Re: タイトルなし

> 「重力ピエロ」観てきましたよ!よかった!!!これも見に行かねばならない!

良かったでしょう?これもぜひ!です。未来社会を体現できて理屈ぬきに楽しい。お隣の席は私世代の男性で、私と同じ様にワープして現状離脱している様子でした。でも、若い方にもお勧め。この頃、ここまでクリエイティブな作品はなかなかありませんから。ちなみにジョン・コナーは「ダークナイト」のクリスチャン・ベイル。端整すぎるのが私的には難点です。

犬塚 | URL | 2009年06月14日(Sun)10:11 [EDIT]


 

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