太秦からの映画便り

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クリアネスの知的な面々

映写室 「クリアネス」合同会見 
   
―原作は第1回日本ケータイ小説大賞 大賞受賞作品―

 少し時間があると若い人はケータイを開く。友人との頻繁なメールもあるけれど、そこにはケータイで情報を得たり小説を読むと言う、新しい文化が生まれているのだ。そんな風潮を反映してか、このところケータイ小説が次々と映画化されている。16日から公開中の「クリアネス」もそんな1本だ。原作は大阪在住の十和(とわ)で、これで第1回日本ケータイ小説大賞 大賞を受賞している。14日に大阪であった、監督と主演者3人、原作者の5人を囲む合同会見のレポートです。

kurianesu-z.jpg

 (左より篠原監督、杉野希妃、細田よしひこ、小柳友、原作の十和氏)

その前に「クリアネス」とはこんな物語
 女子大生のさくら(杉野希妃)はボーイフレンドのコウタロウ(小柳友)がいながら、自宅で体を売っている。窓から見える向かいの部屋は出張ホストの事務所だ。美しい少年レオ(細田よしひこ)を観察していたら、ある日彼が部屋に来て嫌な客を追い出してくれる。こうしてレオと親しくなるが、会いたければ彼を買うしかなかった。

<合同会見>
―これを書こうと思ったきっかけは。
十和(以下敬称略):元々パソコンの中に4枚くらい書いていた文を、ケータイ小説と言うのを知ってそれで書こうと思いました。連載は全部で9ヶ月なんですが、途中で6ヶ月放置していたんです。掲示板を覗いたらもっと書いてくれと書き込みがあって、読者に励まされて又書き始めました。
―それを映画にする監督の思いはどうでしょうか。
監督:ケータイ小説と言うのはあまり意識していません。何であれ内容が面白ければ映画になります。これでいうと僕の好きな三角関係をテーマにしてるので、そこを描きたいと思いました。この主人公は恋人もいながら実を取りますが、それでも嫌な女にはなっていないはずです。こういう生き方をしてる人が実際にいると思いますね。ある種の共感を持って見てくれる人がいると思います。
―他の方はどうでしょう。
細田:ケータイ小説を読むのは初めてですが、僕らは横文字に慣れていて、原作も横文字なので言葉がダイレクトに伝わってくる。若者には馴染みやすいです。
十和:ケータイ小説は手軽だし誰でもできるし、発表の場としてとてもいいと思う。これだけブームになっているので、私も読む者の目線と近いものを書いていきたいです。

―希妃さんは日本で始めての出演作で、しかも主役ですがプレッシャーは?
希妃:初めてだからというプレッシャーはないのですが、原作があるのでそのファンがいるだろうと、その方たちを裏切らないかと心配でした。でも監督と話し合って、「無」からさくらを作りたいと思いました。
篠原:今回は配役をオーディションで決めたんですが、彼女に会ってみて、さくらという人に対して持っている思いとかを聞き、(あ、この人いけるな)と思ったんです。僕の以前の作品の「初恋」の時の少女は、母親が死ぬという事から動くけれど、今回のさくらは自分の肉体的な要求でそこに入って行くんです。世間から反感をもたれそうな役だけれど、彼女が演じれば許せる役になると思った。
―実際にその女性を演じてみてどうでしたか。
希妃:最初読んだ時に、若者の葛藤が描かれていてものすごい純愛小説だと思いました。こんな事をするけれど、普通の大学生と言うのが役作りの大きな要素です。そんな女性が変わっていく。さくらが元々持っているまっすぐさを自分も持っていたいと思います。
―恋人がこんな事をするこの役は辛くなかったですか。
小柳:役は辛いけれど、自分に置き換えたらどうだろうと思うと色々考え、いい経験になったと思います。

curianesu.jpg


―希妃さんは韓国でキム・キドク監督の作品にも出ていますが。
希妃:韓国映画が好きで、語学と演技の勉強が目的で、韓国に2006年から1年くらい留学していました。その時丁度「まぶしい1日」のオーディションがあると聞いて受けに行ったんです。で出演し、キム・キドク監督にはそれが上映された釜山映画祭でお会いしました。それを良いと言ってもらえて、監督の作品に出演する事になりました。この後もチャンスがあれば韓国映画やキム・キドク作品に出たいですし、もちろん主役が目標です。
―レオは細田さんの実年齢より低いですね。
細田: 16歳の設定なんです。レオは年上の人に憧れるんだけれど、無邪気に自分が引っ張っていくというか。
希妃:彼は凄いんです。演じていてもスーッと心の隙間に入ってくるところがあって。
―金髪ですが照れはありませんか。
細田:僕は他の作品でも金髪になることが多いんです。どうしてですかね。でも金髪になることで役に入り込める。自分の性格は内向的でもあり外交的でもあるんで、髪の変身は役作りに役立ちます。

―最後になりましたが、この作品で一番好きなシーンと見逃さないで欲しいシーンを、それぞれ教えて下さい。
十和:最後の、夕日を見る為にさくらが自転車に乗っているシーンは何度観ても泣きます。私が小説で表現したい事が映像になっているのがここで、さくらの心の成長とか、離れていても心は繋がっている、心の内側にはレオがいるという事とかが、あのシーンのさくらの表情に込められています。あと見逃さないで欲しいのはレオの可愛さですね。本当に可愛いので。
小柳:何処も絵が綺麗で、それを見て楽しんで欲しいです。
細田:レオがさくらの部屋に行くじゃあないですか。あれすごい行動力ですよね。ヒーローじゃあないですか、あれを実生活でもやってみたいなと。しょっぱなのあのシーンはぜひ見て欲しいです。
希妃:印象に残っているのはレオを刑務所に送るシーンで、撮り終わった日は何かを引きずって眠れなかった。考えてみると、2人はその前に肉体的には結ばれているけれど、送り出す瞬間に今度は2人の心と心が繋がったんだと思います。
監督:この作品は2人ないし3人の精神的葛藤がテーマですが、撮ってて楽しかったのは、沖縄で4人が突然踊りだすシーンです。まるでドキュメンタリーの様で編集していても毎回新鮮でした。見逃して欲しくないのは、さくらとレオが共有した時間が唐突に終わる所で、そこに漂うのは文章で言えば行間のようなものです。

<会見後記>
 売春、買春という刺激的な題材を使い、繊細で孤独な若者の心情を描いたケータイ小説。それに共感し、自分の言葉で明確に分析して見せる知的な出演者たちが、どんな今の物語を繰り広げているのだろうか。会見は若いクリエーターたちの、鋭い視点と熱い思いを感じるものだった。

関西では、なんばパークスシネマ、MOVIX京都 、MOVIX堺、MOVIX八尾
    109シネマズ箕面、109シネマズHAT神戸等で上映中
スポンサーサイト

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

 

トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。