太秦からの映画便り

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映写室 NO.25 eatrip(イートリップ)

映写室 NO.25 eatrip(イートリップ)
  ―ごはんのじかんです。―

 おなかよりは心のごはんのような作品だ。食にこだわりを持つ、職業も年齢も違う出演者たちが身にまとう、クリエイティブな匂いに心を擽られた。「人と食を巡る、映画のかたちをした、ごはん」と言うキャプションがついているが、まさに食は生き方だ。誰もの生き方のセンスがよくて、このドキュメンタリーをお洒落に仕上げる。監督はテレビ、ラジオ、雑誌等で幅広く活躍するフードディレクターの野村友里(のむらゆり)さん。全編フィルム撮影と言うこだわり様で、“食”の周りの言葉にならない空気感を映します。

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(C)2009 スタイルジャム

 <色々な人が食について>、野村監督のインタビューに答える形で、語っている。それもさすがフードディレクターの出入りする所、普通のようで贅沢な食材が続くのだ。まず最初は、築地魚河岸市場。ずらっと並ぶ魚やセリの様子と共に、ここで5代に渡って魚の仲買をする丸十高橋のご主人が、このところ取れる魚の変化や、魚の魅力について、生き生きと話す。鮮度の良さがスクリーンからも伝わってきて、お寿司が食べたくなった。
 <その次は日本料理の要>、だしの根源、鰹節だ。同じく築地の鰹節問屋、秋山商店が登場するが、ここは日本で最初に削り節を商品化したところだという。良いおだしなら後は何にもなくても美味しいという女主人の話。芸術作品のようなきれいな削り節に、こんなのをたっぷり使っておだしを取れるのは高級料亭だろうなあと、溜息。さり気無い贅沢、一度買ってみたい。

eatrip_sub2.jpg
(C)2009 スタイルジャム

 <自給自足したいと思っても>、思うだけで実際は出来ない。ところが、この人は軽やかに実行してる。沖縄・やんばる高江に移り住み、夫と2人の子供と共に、川の水を汲み畑仕事をして、自然と共存して暮すのが森岡尚子さんだ。田舎暮らしが素敵なのは、田舎で都会の感覚を残して暮しているからの典型のように見える。小さなお芋しか採れない畑仕事が楽しいのも、心の余裕があるから。ままごとの様に見える暮らしだけれど、そんな暮らしをする自分を楽しんでいるのだろう。そんな彼女はいまや若い女性のカリスマらしい。本当の田舎を知っていると違和感も残るけれど、色々な事を楽しめるのも若さ。10年後を見てみたい。今のままで続けて欲しいのだ。

 <久しぶりに見る歌手のUAも>関東近郊でロハスな暮らしだ。コットンの長いドレスを着て田園風景を無国籍にする。地元の人との物々交換、自家菜園、都会の時間を止めた暮らし、UAもそんな自分を楽しんでいるみたい。森岡さんもUAも、いつでも都会へ戻れる人の、つかの間の休日のように見える。

 <最後のシーンの>、浅野忠信や内田也哉子等クリエイティブなゲストが語らう、テントの中でのパーティのように、何を映してもクリエイティブでお洒落なのが特徴だ。もちろんそれが監督の視点で、一番の醍醐味は、監督自身の手際の良い調理の手元が映って、次々とお洒落なメニューが出来上がっていく。まるで手品のようだ。香ばしい香りを放つ料理の数々、食を扱いながらセンスを見せている様な、近くて遠い世界が続く。お料理以上に登場人物たちの放つ、物を生み出す人たちのオーラが印象に残った。(犬塚芳美)

11/14(土)より、梅田ガーデンシネマにて “秋の上映会”スタート!
       近日、京都シネマにて
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