太秦からの映画便り

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映写室 「銀色の雨」鈴井貴之監督インタビュー(前篇)

映写室 「銀色の雨」鈴井貴之監督インタビュー(前篇)
 ―当たり前で普遍的だけれど、忘れがちな事を提示したい―

 北海道発のテレビ番組「水曜どうでしょう」(HTB)等で、コアなファンを持つ鈴井貴之監督が、始めて北海道を飛び出した作品です。浅田次郎さんの短編「銀色の雨」を、米子を舞台にし時代も現代に移し変えて映画化。何処か懐かしいテイストに仕上がった本作について、鈴井監督にお話を伺います。

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(11月11日 大阪にて)

<その前に「銀色の雨」はこんなお話>
 平井和也(賀来賢人)は幼い頃に父を亡くし、山陰米子近郊の小さな町で暮す。母と二人の家を出て新聞販売店に住み込み高校に通っている。ある日そこも飛び出し米子駅にやってきた。昔馴染みの姉のような存在の菊枝と出会い彼女の部屋へ転がり込む。引退を勧告され久しぶりに故郷に帰ったプロボクサーの岩井(中村獅童)もここに加わる。生い立ちのせいか菊枝は捨てられたものを放っておけないのだ。奇妙な三人の暮らし、和也が岩井を慕い始めた頃、意外な事実が…。


<鈴井貴之監督インタビュー>
―昨夜(11月10日)の先行有料試写会は大盛況だったようですね。
鈴井貴之監督(以下敬称略):おかげさまで、立ち見が出るほど一杯の方々が来て下さいました。
―有料試写会で立ち見ってあまり聞きませんが。
鈴井:非常にありがたいことですが、映画的な興味と言うより、元々の僕のコアなファンの方々が動いて下さったんだと思います。
―浅田次郎さんの原作ですが、どういった経緯でこの作品を?
鈴井:浅田さんの作品は至る所で映画化され、企画もたくさんあると思いますが、今回もその一つとして映画化が企画され、お話をいただきました。僕の方から動いたと言う訳ではないんです。

―では、この話が来た後で原作を読んだと?
鈴井:いいえ、浅田先生の作品のファンなので、原作はその前に読んでいました。
―お話が来ていかがでしたか?
鈴井:非常に嬉しかったですが、逆に好きだからこそ、もしかしたらやってはいけないのかなあとも思いました。原作のファンではありましたが、原作は昭和40年代の大阪ミナミのヤクザの話なんです。ヤクザと言うのは非日常だし、時代設定も微妙に古い。僕が今映画として撮りたいのは現在の日常的な物語なんで、このまま撮るのはどうかなあと思いました。しかし、浅田先生より設定を変えても良いと言っていただき、やりがいを感じて引き受けました。今、小説やコミックが、たくさん映画化される時代ですが、原作に忠実なものが多いのではと思います。これは元々短編作品で、映画としてそれをどう膨らませていくかですが、設定を変えてもいいというなら、映画オリジナルとして作ることが可能だし、面白いと思ったんです。

―原作でここだけは壊したくなかった部分は何処ですか?
鈴井:物語の骨格になっている、思春期の逡巡、少年の抱えている悩みや孤独感ですね。それは多分ご覧になる誰もが持っているものだた思うので、どう映像的に表現していくかだと思いました。
―そんな意味では賀来賢人君はぴったりでしたね。
鈴井:この役は元々イケメンでないほうがいいと思っていました。影を背負っているような演者を探していたんです。50~60人オーディションをやって、彼が一番最後でした。実はオーディションの前のテレビドラマの収録が押して、2時間ほど遅れると連絡があったんです。彼には監督やプロデューサと言う大人を待たせたと言う思いがあって、問いにハキハキ答えるものの、時々不安げな表情を見せていました。それがこの主人公のイメージにぴったりで良かったんです。実はほぼ内定していた方がいましたが、大逆転で賀来君にしました。
―じゃあ、遅刻が効いたと?
鈴井:そうですね。結果的には2時間が効いて彼を主役にした事になります。

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(C)2009「銀色の雨」製作委員会

―そんな思春期の世代が今っぽくリアルなのに、お母さんが、少し古風ですね。もっとあっけらかんとしているのかと思うのですが?
鈴井:原作には母親は出てこないんですよ。ここは映画オリジナルなんですが、実は最初はあっけらかんとした母親像の脚本でしたが、母親ってそんなもんじゃあない、いくら時代が変っても自分のおなかを痛めた子に対しては、母は母であると言われ変更する事にしました。実はこれは僕の家内に言われたんですが。

―賀来君の陸上や獅童さんのボクシングと、スポーツを実際にやっていた人のように見えました。
鈴井:彼らは実際にトレーナーを付けて練習していました。獅童も、映像的にあそこまでボクサーに成り切ってくださり、感謝ですね。満足しています。
―話的にボクシングを持ってきたのは監督が今までされていたとか興味があったとか?
鈴井:好きだったとかそんなではなく、ボクシングってストイックなスポーツだと思うんです。映画自体も男女関係以外ストイックで、そういうものがあってもいいんじゃあないかと思いました。(聞き手:犬塚芳美)

   <明日に続く>
   この作品は、12/5(土)シネマ-ト心斎橋、シネリーブル梅田、
           順次京都シネマ、シネリーブル神戸 にて公開
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| | 2013年04月01日(Mon)01:37 [EDIT]


 

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