太秦からの映画便り

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映写室 新NO.29 ジュリー&ジュリア

映写室 新NO.29 ジュリー&ジュリア 
  ―愛とフランス料理を召し上がれ!―

 もうすぐクリスマス。お祝いのテーブルにはフランス料理の1品も並べたいところだけれど、私じゃあ無理。…と思っていたけど、この映画を観ると出来そうな気がする。ジュリーを真似て、作ってみるか! まずは本を買おうと本屋さんに走る、そんな人が増えそうな映画だ。時を隔てた2人の料理好きな女性の、サクセスストーリーが元になっています。鍋の底にはバターと愛情が一杯、映画の底にも愛と頑張る女性へのエールが一杯。

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 <1949年、ジュリア・チャイルドは>外交官の夫についてパリに来た。本場のフランス料理に感動し、ル・コルドン・ブルーのプロ養成コースに入学する。持ち前の負けん気と才能でめきめき頭角を現し、アメリカに帰国後は本を出しテレビの料理番組を持つまでになった。一方現在の女性ジュリーは、小説家志望だったのに挫折して冴えない毎日。ふとしたことから、昔愛読していたジュリアの本の全レシピを作り、自分のブログにアップすることを思いつく。夫に励まされながら更新を続けていると、…。

 <時代を超えて二人を繋ぐのは料理という訳で>、ジュリーが本を見ながら作る様に、そのレシピを作った当時のジュリアの物語が被さっていく。まるで、レシピからジュリアの事を探っていくみたい。物語の主体はブログ更新中のジュリーで、こちらは甘やかではあっても等身大に描かれ、50年前のジュリアは憧れ目線のジュリーの想像と、当時一世を風靡した伝説の姿で描かれるわけだ。「めぐり逢えたら」や「ユー・ガット・メール」で有名な、女性の揺れる心をリアルに描写する女流監督ノーラ・エフロンの手にかかると、そこら辺りが巧みで、しかも2人への視点が温かい。その温かさが観客までを幸せにする。まるでジュリーのようにドジな自分を励まされているような気がした。

 <50年の時を隔てて>、2人の心が重なるわけだけれど、料理で人生を変えていくのも一緒だ。ジュリアは冷凍食品やジャンクフード一辺倒だったアメリカの家庭にフランス料理を浸透させたし、ジュリーは料理のブログから新聞取材と今らしい方法で広がり、今や憧れだった文筆業をしている。どちらも適当にそそっかしいから可笑しい。
 <2人はどちらも>優しく協力的な夫を持っていた。まだ封建的だった時代に40を過ぎてから結婚したジュリアは、当時としては超晩婚。そのかわり何時までも新婚時代のように甘かったみたいだ。夫は妻の料理を褒めさりげなくサポートし、励ます。ジュリーの夫も同じで、ブログを作ってくれ、挫けがちなジュリーを支えてくれる。妻の成功の影に協力的な夫ありというわけで、ここら当たりもさすがに女流監督だ。

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 <この作品のメリル・ストリープは凄い> こんなコミカルな演技も出来るのかと誰もが驚くだろう。もっとも老け加減にも驚いてしまった。中年と言うより、もはや初老の雰囲気で、若い頃の怯えたような瞳は影を潜めている。物まねなのか、年を重ねて彼女自身がこうなったのか解らないが、いかにもお料理が好きなお母さん。少々の事には動じず、いつも前向きに行動し、お洒落をして台所に立ちという大らかなジュリアを、楽しそうに演じている。変化自在のメリル・ストリープの真骨頂だ。
 <メリル・ストリープは「ボナペティ!」の一言で>、ジュリア役を手に入れている。偶然出会ったノーラ・エフロン監督からこの作品の構想を聞き、ジュリアの口癖だったこの言葉を彼女そっくりに発して監督に即決させたのだ。本物のジュリア・チャイルドは甲高い声と185cmという長身が目立つ女性で、よく物まねをされたらしいが、似てるからと言って、メリル・ストリープが真似をしたわけではないらしい。

 <先駆的に人生を切り開いてきた監督や大女優に囲まれながら>、ジュリーとして初々しく今の女性を演じるエイミー・アダムス。「魔法にかけられて」や「サンシャイン・クリーニング」の活躍を思い出すけれど、鬱積した日常、ドジさ加減、前向きさ、どれもが等身大で、これなら出来るかもと私たちに思わせる。優しい口元とくるくる動く大きな瞳に魅せられた。

 <本当言うと本格的なフランス料理は苦手だ> バターが多くて私にはヘビー過ぎる。…なんて言っていたけど、こちらも怪しいもの。映画を観てたら「バターが多ければ多いほど美味しいの」と言うジュリアの言葉に乗せられそうになった。それほど出演者達は美味しそうに食べる。悪戦苦闘しながらそれでも楽しそうにお料理を作っていく。その度にスクリーンから美味しそうな匂いが漂ってくるのだ。お料理が好きな人って何て愉快で優しいのだろうとも気づかされた。(犬塚芳美)

この作品は、12月12日(土)よりTOHOシネマズ難波、
               TOHOシネマズ二条等で上映
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