太秦からの映画便り

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映写室 新NO.31  2009年ベスト映画

映写室 新NO.31 2009年ベスト映画
   ―ドキュメンタリーとアニメーションに夢中!―

 今年も残り少なくなりました。恒例の年末企画です。昨年末から今年に公開された映画を、部門ごとにトップ5作品選んでみました。皆さんの思いと重なるかどうか。ちょっとひねった、私の好きな作品が揃った年でした。なお、映画は監督のもの、作品に合わせて監督名だけを記しています。

《洋画部門》

2009-1.jpg
(C) Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

1位 ベンジャミン・バトン 数奇な人生(デヴィッド・フィンチャー)
        …老人として生まれて逆に若くなっていく主人公。
 (CG技術の進歩、特殊メイクの進歩、それに負けない愛の物語の深さ。考えさせられた)

2位 ポー川のひかり(エルマンノ・オルミ)
        …古文書を釘つけにし、ポー川のほとりで暮らし始めるキリスト似の教授。
 (宗教感を伴う深遠な意味は解りにくいが、漂う余情に映画は文芸だと思い知らされた)

3位 Disney’sクリスマス・キャロル(ロバート・ゼメキス)
        …おなじみの物語をアニメ化。ジム・キャリーは7役の声で
 (実写とCGをミックスした映像の不思議さ。3D効果抜群で足がすくむシーンが沢山)

4位 エスター(ハウメ・コジェ=セラ)
        …境界性人格障害の少女をそれとは知らず養子にした夫妻の災難。
 (ミステリーでも超常現象ではなく異常性格となると身に詰まされる。本当に怖い)

5位 グラン・トリノ(クリント・イーストウッド)
        …デトロイトに住む元自動車工の老人が隣のアジア移民と触れ合っていくさま。
 (C・イーストウッドかっこ良過ぎるけど、最後のグラン・トリノという声でやられた)

     <最優秀監督賞>
         デヴィッド・フィンチャー…ベンジャミン・バトン 数奇な人生
     <最優秀主演男優賞>
         ショーン・ペン…ミルク 
     <最優秀主演女優賞>
         ケイト・ウインスレット…愛を読むひと
     <最優秀助演男優賞>
         クリスチャン・ベイル…3時10分、決断のとき
     <最優秀助演女優賞>
         ソフィア・ヴァジリーヴァ…私の中のあなた



《邦画部門》

2009-2.jpg
(C) 2009 「ゼロの焦点」製作委員会

1位 ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ(根岸吉太郎)
        …作家で放蕩な夫との極貧の生活を酒場に勤めて支える妻の物語
 (浅野・松のこなれた着物姿が全て。時代の混沌に飲み込まれる作家としなやかな妻)

2位 重力ピエロ(森淳一)
        …妻が強姦されて身ごもった子供をわが子として育てた一家の物語
 (バットを持って強姦犯を打ちのめしにいく春の壊れそうな美しさに秘められた狂気)

3位 サマーウォーズ(細田守)
        …信州の旧家に集った一族が結集してサイバーテロと戦うアニメ
 (現実の淡いトーンと、ネット内のクリアーな極彩色の対比が見事。富司純子の声も)

4位 誰も守ってくれない(君塚良一)
        …殺人犯の妹を保護する警察官。マスコミと世間は容赦がない
 (家族と言うだけで世間の集中砲火を浴びる少女。隠れ家はすぐにネットで流れる)

5位 ICHI & TAJOMARU(曽利文彦&中野裕之)
        …若い世代の新しい時代劇2作品に同時に
 (CGを使って時代劇の次世代を探っている。人物描写が丁寧で、果敢な試みに拍手)

     <最優秀監督賞>
         細田守…サマーウォーズ
     <最優秀主演男優賞>
         堺雅人…南極料理人、クヒオ大佐
     <最優秀主演女優賞>
         松たか子…ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ
     <最優秀助演男優賞>
         香川照之…剣岳 点の記
     <最優秀助演女優賞>
         木村多江…ゼロの焦点


《ドキュメンタリー部門》

2009-3.jpg
(C)2008 STUDIO NURIMBO

1位 マイケル・ジャクソンTHIS IS IT(ケニー・オルテガ)
         …急死したマイケルのツアー用MTVつくり等
 (内容が凝縮されていていい意味で長く感じる。いまさらながらファンになった)

2位 牛の鈴音(イ・チョンニョル)
         …韓国の田舎の老いた牛と老夫婦の淡々とした日常を四季の中で描く
 (牛と老人の一体化。固定カメラで捕らえた映像は丹精で、物語的にも劇映画のよう)

3位 ミーアキャット(ジェームス・ハニーボーン)
         …砂漠の中の小さな擬人の不思議な世界。ちょっととぼけた小動物
 (スチールで見て本当に小さいのに驚く。家族の労わりあいはまるで人間)

4位 戦場でワルツを(アリ・フォルマン)
         …ドキュメンタリーアニメと言う手法で描く中東問題の複雑さ
 (イスラエルは病んでいる。でも内部抗争の激しいパレスチナも病んでいる。

5位 ローリング・ストーン シャイン・ア・ライト(マーティン・スコセッシ)
         …マーティン・スコセッシが自ら登場してニューヨークライブを映す
 (この年でこの激しさ!永遠の少年たち。客席からは見れない角度からの映像の凄さ)


《ラジー賞》
   1位 ウルトラミラクルラブストーリー(横浜聡子)
   2位 山形スクリーム(竹中直人)
   3位 チェ 39歳別れの手紙(スティーブン・ソダーバーグ)


《特別賞》
   アリ・フォルマン監督…戦場でワルツを

 どうでしょう? 熟考したつもりですが、小品のすぐれたものや、ドキュメンタリーの秀作がたくさん洩れているのが気がかりです。僅差の良作が多く、明日選べば変るかもしれません。悪しからず。全体的に見ると、3D作品が増え、ドキュメンタリーとアニメが手法と切り口で新しい境地に入ったと思うのですが。映像表現は進化し続けているのですね。来週はお正月に見れる作品のご紹介です。(犬塚芳美)
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コメント


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こんばんは。
どの部門も一つは見ていました。なんだか嬉しいな。
Disney’sクリスマス・キャロル・・・偶然電車で会った元同僚が3回も見て、「僕はもうサンタになるよ。絶対見てや!」と言ったので。ディズニーらしかったです。
重力ピエロ・・・原作者も出演陣も好きだったので。予想以上に素晴らしい出来でした。
ミーアキャット・・・犬塚さんお勧めだったので。素敵な映画でした。
先日見た『沈まぬ太陽』も、長い原作をいい脚本にしてあり、心に残りました。渡辺謙さん、香川照之さんが特によかったです。
来年はまず『おとうと』を見に行きたいです。若手の二人が楽しみです。
今年も一年間、すてきな映画を紹介してくださって、ありがとう!来年も楽しみにしています。

大空の亀 | URL | 2009年12月23日(Wed)21:01 [EDIT]


Re: タイトルなし

> Disney’sクリスマス・キャロル・・・偶然電車で会った元同僚が3回も見て、「僕はもうサンタになるよ。絶対見てや!」と言ったので。ディズニーらしかったです。

実は今日も友人達とのクリスマス会で、この作品を絶対見て!と力説した所。
どんな手法で創ったのかも解らないし、技術の集大成ですよね。もちろん物語も素晴らしく、最後に精霊の顔が自分の顔になっていくところなど、深いなあと感動しました。
ジム・キャリーのカツゼツが良いので、これなら聞き分けられるかもと、字幕より声に注目してみたら、彼の声のニュアンスの豊かさに驚き、しかも7役、ものすごい役者さんだなあと改めて感服しました。時々はこんな風に声をじっくり聞いて見たいと思います。来年も頑張りますね。どうぞよろしく!

犬塚 | URL | 2009年12月24日(Thu)02:56 [EDIT]


 

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