太秦からの映画便り

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シネマエッセイ

映写室 映画の周辺四方山話   
 ―思いつくまま・シネマエッセイ―

 いつもは関西公開に合わせて新作映画を紹介している映写室ですが、それより気楽に、時々映画周辺の話を書きたいと思います。第1回目の今日は、邦画について。

 <以前ここでインタビューした監督たちから>、世界各地の映画祭での快挙を知らせるニュースが、時々届きます。最近も山本起也監督から、スペインのパンプローナで開催された国際ドキュメンタリー映画祭で『ツヒノスミカ』がジャン・ビゴ賞(最優秀監督賞)を受賞したとメールが入りました。悲しい話ではないのに、毅然としたその姿で感動の涙を流させたあのおばあちゃんの姿勢は、世界の人々の心に響いたのだと嬉しくなります。この映画祭には、日本からは他に想田和弘監督の『選挙』も招待されていたとか。昨年亡くなられた佐藤真監督が一昨年は審査員でした。山本監督は京都造形大で佐藤監督と一緒に教鞭を取っておられたので、感慨もひとしおの事と思います。
 最近のもっと大きなニュースで言うと、もうすぐ封切りの若松監督の新作「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」が、ベルリン映画祭でダブル受賞と言う快挙を成し遂げましたね。

 <だから日本映画が好調かと言ったら>、どうなのでしょう。興行的に一人勝ち状態の東宝の会長松岡さんは、前年に久しぶりに洋画を上回った邦画の興行収入が、昨年又もや洋画に抜き返されたのを、「長い目で見れば邦画の巻き返しは顕著で、不調の年もある。大した事は無い」と強気にコメントされました。又昨年は300本を越えた邦画製作の現状も、「たくさん作ったほうが新しい才能が出てくる」と肯定的に捉えます。まあ立場上そう言わないと仕方が無いのかもしれないけれど、観客の立場で言うとこれが辛い。安直な作品が溢れていて、どうしてこんな作品ばかり作るのか、何本分かのエネルギーやお金を集中して、もっと良い作品は作れないのかと怒りすら覚える。

 <もちろんこんな事を書きながら>、キラキラ輝く才能に出会って、邦画バブルの恩恵を喜ぶこともあるのですが、それは置いておいて今回は苦言です。丁度邦画が駄目だった頃にぶつかった50代、60代の監督が、才能がありながらいくら企画を出してもチャンスに恵まれなかったような、映画造りへの秘めた思いが少なく、テーマが小粒だし、テレビと映画の境目が無くなったのか、解り易過ぎて映画的な余情がありません。そんな作品が続くと邦画にうんざりして、肝心の良い作品すら観客を集めれないのではと心配です。
 一方で良質なドキュメンタリーが観客を集め始めた今、ドラマ部門の邦画は現場が混乱している。かっての名作を知るファンとしては、邦画にも頑張って欲しいからこそ、もう一度原点に戻って映画を考えて欲しいと思うのですが。
スポンサーサイト

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

 

トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。