太秦からの映画便り

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映写室 「今度は愛妻家」シネマエッセイ

映写室 「今度は愛妻家」シネマエッセイ
  ―私のアイドルたち!―

 <作家でも俳優さんでも>、誰かを好きになると徹底的に追いかけるほうだ。と言っても、目が早い訳でもなく、きらきら輝いている人に自然に目がいくだけだから、当然世間も見逃さない。たちまち人気者になって、「貴女ってミーハーね」と呆れられながらも、皆と一緒に追いかけている。ただのミーハーとの違い(?)は私の熱が簡単に引かない事だ。世間はとっくに次のアイドルに移っているのに、ひそかに何時までも追い続ける。
 <言い訳をするなら>、輝いた日々以上に彼らがその輝きをどう変えていくかから目が離せないのだ。年を重ね新たな魅力で輝く彼らを見るほど嬉しいことはない。他者からは滑稽だろうけれど、私にとってのアイドルは、彼らに夢中になったその時代の自分の代弁者なんだと思う。

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(C) 2010 映画「今度は愛妻家」製作委員会

 <…と、前置きが長くなったが>、「今度は愛妻家」は、そんな私のアイドルが結集している。まず主演の薬師丸ひろ子さんと豊川悦司さん、そして「GO」や「きょうのできごと」でファンになった行定勲さんだ。俳優の2人はともかく、「世界の中心で、愛をさけぶ」の後、行定監督は厳しかった。興行的にも作品的にも成功したこの作品で、世間や自分に枷が出来たのか持ち味が出せず、本人だけでなくファンもいらいらしていたと思う。でも今年は行定監督の当たり年、そんな鬱積を吹き飛ばす良作が続く。

 <今公開中の「今度は愛妻家」はこんな話だ> トヨエツ扮する売れっ子カメラマンと薬師丸扮する専業主婦は、子供のいない倦怠期の夫婦。芸術家肌の夫はついつい妻をないがしろにし、それでも明るく振舞う妻が、試すように「だったら離婚しよう」と言ってもそれが現実になるとは想像もしない。悲劇はそんな時の旅先で起こった。最後に写真を撮ってと言い、夫がしぶしぶ構えたカメラに向かうと結婚指輪がないのに気付く妻。そんな事どうでもいい夫に対し指輪にこだわる妻は、ホテルに取りに戻ろうとして事故にあう。
 <こんな具合に、連れ合いにこんなシチュエーションで>亡くなられたら、そりゃあたまらないだろうという話が、時間軸を交差させて進む。妻も登場するのだけれど、生前のシーンだけでなく、それが夫の幻想なのは徐々に解かっていく仕組みだ。

 <この2人が夫婦役というと>「きらきらひかる」を思い出す人も多いだろう。2人はあのカップルの10年後のようだ。そう言えばあの作品でも妻は家出をした。投げやりな言葉にも平気な顔をしてるから、妻が傷ついているのに気付かない夫。その投げやりさも夫にしたら甘えやある種の愛情表現の訳で、傷つきながらも許している妻と阿吽の呼吸だけれど、この2人にはそんな大人の甘やかな関係がよく似合う。夫婦の間の微妙な空気を軽妙なやり取りと優しいトーンで映して、ほろりとさせる最後まで運んでいく。「きらきら…」のように2人にゲイが絡むのも一緒で、余談だけれど、トヨエツの隣にゲイの男は座りがいい。

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(C) 2010 映画「今度は愛妻家」製作委員会

 <おじさんどころかすっかり関西のおっさん化した>トヨエツと、変わらず可愛い薬師丸の織り成す、友達以上夫婦未満の情景。お父さんやお母さんの役が多くなったけれど、若い俳優では足元にも及ばない大人の情感だ。年を重ねて、かっこ悪いという新しい素敵さを発揮するのが嬉しくて、私の流した涙の半分はそれへのものだった。2人にそんなハーモニーを導いた行定監督もまた、生意気だけれど、肩の力が抜けて大人の監督(?)になったと思う。不本意な時代を経て、その不本意さすら、そんな時もあるよと受け止められる領域に達したのではないか。私のアイドルたちは誰もが新境地で魅了している。
 <こういうのは嬉しい> 彼らが輝き、そんな彼らに夢中になって共に生きたという意味で、私の過去やこれからの可能性までを肯定された気がする。見終えると、物語への感動だけでなく、そんな身内意識の晴れがましい思いにも満たされた。私のアイドルたち、元気を有難う。これからも応援するね!

 <同じく行定監督の手による「パレード」が>もうすぐ公開になる。こっちのほうは「きょうのできごと」に続く作風だそうだ。実はまだ見ていない。試写会が一杯で入れなかったのだ。私だけでなく相当の人数が溢れ、何時までも未練たらしく満席の会場を覗き込んでいた。珍しく映画を見ないうちからプレスを読んだが、サスペンス仕立てで期待は高まるばかり。初日に見ようと思っている(犬塚芳美)

今度は愛妻家」は上映中
「パレード」は2月20日(土)より梅田ブルク7、難波パークスシネマ、
               MOVIX京都、シネ・リーブル神戸で上映
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花ギフト館のブログ | 2010年02月12日(Fri) 16:56


 
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