太秦からの映画便り

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

映写室 「風のかたち」&「大きな家」上映案内

映写室 「風のかたち」&「大きな家」上映案内 
  ―いせフィルムのドキュメンタリー2本―

 上質なドキュメンタリーを作り続ける「いせフィルム」の新作が、続けて2本公開になる。「いせフィルム」と言うと、編集に絡んでいるだけで、独特の世界観をかもし出すプロダクション。さりげない日常描写の中に、人間への愛、生きることの素晴らしさを滲み出させるのが特徴だ。しなやかながら、そのスタンスを崩さない作風へのファンは多い。私もその一人だ。今回の2作品は、どちらも、ひたむきに生きる子供たちの姿を、長年にわたって追いかけたもの。作り手の被写体への静かな愛が滲み出ている両作品を紹介します。(犬塚芳美)

1.風のかたち―小児がんと仲間たちの10年―:伊勢真一監督
kazenokatachi_main.jpg

 <この作品は小児がんと戦う人々を>、10年にわたり伊勢監督が追いかけたもの。始まりは聖路加国際病院副委員長の細谷亮太医師が、リーダーの一人の、SMSサマーキャンプに参加したことだった。医学の進歩で、小児がんはもう不治の病ではない。10人のうち7,8人までが直っているのに、無知な社会の偏見や差別は消えない。子供たちは病気とだけではなく、そんな世間とも戦わないといけないのだ。小さい体で過酷なのだけれど、でもカメラは苦しみだけを映したりはしない。
 <細谷医師が語りかける>「子供は死んじゃあいけない人たちだからね」と言う言葉を立ち居地に据え、彼らを悲劇の主人公ではなく、「再生」のシンボルとして描いていく。この病んだ社会に、命の尊さ、生きる意味を問いかけ、私たちに希望をメッセージしてくれる子供たち。彼らが苦しみの中から見出したものが、私たちの光となってくれる。そんな事とかが、押し付けがましくなく自然な形で浮かび上がってくるのが、本作の力。子供たちだけでなく、医療の現場で子供たちを見守り続けた細谷医師の記録にもなっている。

  この作品は第七藝術劇場で上映中(いずれも1日1回上映)
      4月10日~16日(金) 12:15~
      4月17日(土)~23日(金)10:15~

      5月以降、京都シネマで上映予定


2.大きな家~タイマグラの森の子供たち~:澄川嘉彦

ookinaie1.jpg

 <この作品は、東京から岩手の山奥に移り住んだ>子供たちの、森での日々を7年間にわたって追いかけたもの。まず、緑溢れて瑞々しい自然を堪能して欲しい。
前作「タイマグラばあちゃん」の撮影の為、岩手県のほぼ真ん中、早池峰山のふもとに棲みついて10年になる澄川嘉彦監督。“タイマグラ”と呼ばれるこの開拓地は、アイヌの言葉で「森の奥へと続く道」と言う意味だという。その言葉どおりに、人里から離れた森に、ブナやトチ、ミズナラといった巨木が奥へ誘う様に立ち並んでいる。
 <大人の目からは素晴らしくても>、そんなところへ突然、東京で育った4歳と2歳の子供たちがやってきたのだから困惑も当然の事。幼稚園もテレビもない生活に、最初は大声を上げて泣いたと言う。でもその子供たちが、やがて野山を駆け回って遊ぶようになる。
 <池のカエルやサンショウウオ>、春になると息吹く木々、家の中に入ってくる野鼠や赤ちゃんウサギ。森に蠢く色々な命との出会いに、上の少女は「お父さん、私たち“大きな家”に住んでいるんだね」と呟く。
 <いつの間にか、自分の命は一人のものではなく>、他の生き物、時間を越えて、面々と受け継がれたものであることを感じ始める子供たち。やがて視点は森を超え、地球と言う青い“大きな家”に暮らす仲間たち全ての命に繋がっていきます。子供の素朴な視点と、豊かな自然が、病んだ私達を癒し、命の原点を見つめさせる。

この作品は、第七芸術劇場で、4月17日(土)~23日(金)12:20~
             4月24日(土)~30日(金)10:00~ いずれも1日1回上映

      5月以降、京都シネマで上映予定


*両作品共に、自主上映を受け付けます。
  問い合わせ、資料請求は、いせフィルム(03-3406-9455)まで。
スポンサーサイト

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

 

トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。