太秦からの映画便り

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映写室 インタビュー「平成ジレンマ」(前編)~戸塚ヨットスクールの現在~

映写室 インタビュー「平成ジレンマ」(前編)~戸塚ヨットスクールの現在~
―戸塚ヨットスクール校長 戸塚宏氏・斉藤潤一監督・阿武野勝彦プロデューサーインタビュー―

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©東海テレビ

《その前に、「戸塚ヨットスクール」とは》 
<ある年代以上の方なら>、戸塚宏氏の名前や、戸塚氏の開いた「戸塚ヨットスクール」と言う言葉に、ある種の感慨を持つだろう。これは、そんなスクールの今を撮った映像だ。
昭和50年に、世界的なヨットマンとして名を馳せた戸塚宏氏は、オリンピックで通用するような一流のヨットマンを育てようと、「戸塚ヨットスクール」を開いた。週末にはヨットを学びたい小学生が押し寄せたが、その中の一人に不登校の子供がいて、学校に通えるようになる。この辺りから、スクールは単なるヨットスクールの枠をはみだしていく。全国から非行や不登校の情緒障害児が集まりだしたのだ。全盛期には100人を超える訓練生がいた。
<ところが開校して4年目>、スクールは思わぬ高波に襲われる。訓練中に訓練生が死亡したり、訓練の厳しさに耐えかねて、海に飛び込んだ訓練生が行方不明になったりする、いわゆる「戸塚ヨットスクール事件」が起きたのだ。日本中が騒ぎ「戸塚ヨットスクール」バッシングが始まる。58年にはコーチや戸塚校長が逮捕され、スクールも一時閉鎖に追い込まれた。平成14年、コーチ3人に懲役2年6ヶ月から3年6ヶ月、戸塚氏には懲役6年の実刑が言い渡される。一方、4人の遺族と和解し、合計1億円あまりの賠償金が支払われた。

<それでもひっそりと>「戸塚ヨットスクール」は続いていた。平成18年、刑期を終えた戸塚氏がスクールに復帰したが、あの事件以来、激しい体罰を封印しスクールは様変わりする。現在訓練生は10名前後。かっては10代の若者が大半だったが、この頃は「引きこもり」や「ニート」が増えて、たいてい20歳を越えている。
<元になったのは>、2010年5月に放映された東海テレビのドキュメンタリー。劇場公開にあたって、テレビの制限を広げ、映画の可能性にかけたという。 
独特の教育観を持つ戸塚宏校長は、今の教育に警鐘を鳴らし、全国で講演する。長年、良質な司法ドキュメンタリーを作り続けてきたテレビマン二人は、テレビを飛び出し劇場にかけることで、放映枠の減少でドキュメンタリーが消えつつある閉塞的な現状にも、風穴を開けたいと話す。


《戸塚宏氏・斉藤潤一監督・阿武野勝彦プロデューサーインタビュー―》

―「平成ジレンマ」を御覧になって如何でしたか? ご感想は?
戸塚宏校長(以下敬称略):2010年5月に東海テレビで放映されたものを見ました。最初の「下手な解説は加えない」という約束どおりの仕上がりだったので、文句は無いです。
―事前のチェックとかは?
戸塚:していません。クレームを受け入れるマスコミもあるけれど、事前チェックの申し入れもいっさいしていません。
―反響は?
斉藤潤一監督(以下敬称略):凄かったですね。だからこうして劇場に進出できたんですが、番組を見た後、ホームページへの記入が40~50はありました。しかもどれもが長文で、私はこう考えたと言う感想を寄せてくれています。「戸塚ヨットスクール」を取り上げることに対して、クレームが来るのではないかと予想していたのですが、それは無かった。

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(2月28日 大阪にて)

―放映後の反応を危惧しながらも作った訳ですね。この作品の制作意図は?
斉藤:本当言って、今でもまだヨットクールが続いているのが、信じられなかった。どうして続いているのかを確かめたかったんです。今、どんな訓練がされ、親はどんなものを求めているのかを確かめたかった。
―スクールに行かれてどうでしたか?
斉藤:取材に入る前は、根暗な子の溜まり場だろうと思っていたんですが、実際は、皆普通で、しかもその辺にいる子よりずっと礼儀正しい。家庭環境も普通で、これは人事ではないなと思いました。
―母子家庭が多いとか?
戸塚:母子家庭かどうかはともかく、教育の荒廃は父性がかけているから起こる問題なんです。女性は今の子供の味方、男性は子供の将来を見据えて、それに味方する。父性が無いから、今の子供たちは将来への見通しが無い。不安定なものは進歩しません。進歩しようと思ったら、徹底的に否定されて、心底自分は駄目だと思わないと駄目。でも今は、それが駄目だと言うでしょう? 褒めて伸ばすと言うけれど、そんな上等な子供がいるもんか。褒めると叱るが同居するもんか。今の子供は進歩の自由をなくしている。体罰を取り入れたのは、彼らと一緒に生活してみれば解ります。あんな子供たちと誰も一緒にいたくない。(聞き手:犬塚芳美)<続く>

この作品は、第七藝術劇場(06-6302-2073)で上映中。時間等は劇場へ。
   4月9日神戸アートビレッジセンター、
5月京都シネマ にて公開


又、この作品の公開にあわせ、「東海テレビドキュメンタリー傑作選」と題して、4月2日(土)より8日(金)の間、第七藝術劇場(06-6302-2073)で毎日11:55分より12:50分まで、上映があります。料金は当日のみ1000円均一。
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