太秦からの映画便り

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映写室「森聞き」柴田昌平監督にうかがう制作秘話(後編)

映写室「森聞き」柴田昌平監督にうかがう制作秘話(後編) 
―高校生たちが、森の名人たちに“人生”を尋ねる―

<昨日の続き>
―自分が女のせいか、ついつい女生徒に目が行きました。愚直と言えるほど真っ直ぐで真面目な田舎の高校生と、見ていて恥ずかしくなる位、一般社会に洗脳され要領が良さそうで空回りする東京の高校生が、対照的です。実際の私は宮崎の彼女ほど朴訥でもなく、勿論田舎で育ったので、東京の彼女のようにてきぱきは出来なくて、あの中間位だったと思うのですが、それでもどちらも自分に近いところもあって、気恥ずかしくなったと言うか。

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©プロダクション・エイシア

柴田:東京の彼女も、ある意味で東京の高校生としてとても一般的なのです。本やテレビの中等の知識では知っていても、実際には田舎を知らなかったりしますから。目の前に実際の風景が広がって驚いたんでしょうね。
―でも素直に驚けばいいのに、まるでレポーターのように上滑りの感想を言い、質問を重ねていく。名人に失礼で「もう止めて!」と言いそうになりましたが、後で本人も落ち込んでいるから反省してるわけで仕方がないかと。
柴田:テレビのレポートシーンなんて、ほんの短いシーンでも長時間をかけて作り、返してもらう返事まで指定して、何度も練習して、しかもそれを編集したものが流れているのに、そんな裏側の事情は映らないから、質問したら簡単に答えてもらえると思うんでしょうね。で、答えてもらえなくて、戸惑っている。映像にはありませんが、実はあの後彼女はもう一度名人のところに行くんです。今度は自分の事も話さないと向こうも話してくれないと気が付いて、そういう風にするんですが、それを入れると高校生の成長物語になるんで、あえて入れていないんです。


―宮崎の少女は逆にとても朴訥で、進学校だと言うのに、まだこんな高校生もいるのだと思うところもある。
柴田:彼女はちょっと特殊で、学校に宮崎の地域性を大事にするという校風があり、自分の地域を誇りに思っているんです。中学時代から森林文化とかを選択して学ぶシステムもあり、クニ子おばばの住む椎葉村までは行って無いけど、その役場があるところまでは、これ以前に学校の課外授業で行っている。椎葉村はまさに秘境で、宮崎空港からだと車で4時間位かかるし、熊本空港からだと3時間なんですが、空港からのアクセスの非常に悪いところなんです。でも彼女の学校は、役場までならわりに近いところにあるんです。
―おばばへのひた向きな執拗さにも、ハラハラしました。知らないことが許される高校生だから出来ることというか。
柴田:そうなんですよ。今の高校生は好きな事を仕事にしなさい。それが出来なかったら失敗ですよと刷り込まれているんです。(好きな事をしないと)とプレッシャーを感じてもいる。彼女は生き生きしている人は好きな事をしている人だと思い込んでいて、最初からそれに拘っていたんですね。クニ子おばばとのそんなすれ違いが大きなテーマに思えて、その思い込みを持ち続けてくれればいいなと思ったのですが、それがあんな形になったと言うか。
―厳しい環境でも未だに焼き畑を続けるのはどうしてだろうと、「焼き畑の何処が好きですか」と尋ねて、おばばを怒らせる。「好きでやっとるじゃあないですよ。ばあちゃんの一生の仕事だから。世渡りじゃけん」と言われて、余計に解からなくなる。ハラハラしました。
柴田:ええ。


―女生徒たちは言葉でしたが、男子二人の、言葉もなく驚いたように立ち尽くす、子供っぽい表情も印象に残りました。
柴田:男子のほうが成長が遅いですからね。そういう意味でもあの二人も一般的ですが、彼ら二人は高校を出た後社会に出るので、そういう意味では仕事選びが身近で、切実な訳ですよ。聞き書きをする名人の住む場所も考え、4人はそれぞれ重ならないように選びました。高校生の成長物語りにはしたくないと言いましたが、画面の外で実際はそれぞれに成長しています。
―多感な頃にこんな形で名人たちに出会った事は、誰にとっても大きな財産になったと思います。この作品を一番観て欲しいのは、やっぱり高校生ですか?
柴田:勿論皆さんにですが、特にと言うなら20代前半から登場する親の世代ですね。この世代は今、皆迷っているんです。迷いながらその迷いを素直にぶつける高校生たちを見て、自分のその頃を思い出し、やり直すことも出来るし、又名人の生きてきた知恵を聞いて、色々な事を考える力にして欲しいと思います。(聞き手:犬塚芳美)

<インタビュー後記と作品の感想:犬塚> 
「ひめゆり」では沖縄を代表した気分で肩に力を入れて緊張したけれど、今回はずいぶん気が楽です。と最初に仰ったとおり、作品は作品を観ていただけばという思いで、少し脱線して、際立っていた映画とテレビの作り方の違いについて、伺いました。上映に併せ、監督や河合和香さんとのトークが出来るようです。監督の意図どおり、この作品は色々話したくなる作品なので、参加すると楽しいと思います。名人たちの住む山は本当に美しく、こっそり自分のリフレッシュの旅に行ってみたくなりました。


この作品は11/12から第七芸術劇場(06‐6302‐2073) にて公開。
監督を迎えての関連イベントは劇場まで
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| | 2012年05月12日(Sat)20:38 [EDIT]


 

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美女洗脳メール術 | 2011年11月19日(Sat) 09:18


 
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