太秦からの映画便り

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「丘を越えて」no池脇千鶴さん

映写室 「丘を越えて」池脇千鶴さん合同会見    
 ―菊池寛没後60年に贈る文芸作品― 
 人気作家であると共に文藝春秋社社長で、時代のパトロンとして君臨した菊池寛の、生誕120年、没後60年を記念する作品が完成した。原作は現東京都副知事の猪瀬直樹氏、メガホンを取ったのは高橋伴明監督。菊池寛には西田敏行さんが扮し、私設秘書として仕え、菊池から全てを教えられた女性細川葉子に、関西出身の池脇千鶴さんが扮する。池脇さんに製作秘話を伺います。

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 (4月25日 大阪にて)

<その前に「丘を越えて」とはこんなお話> 
 母と二人暮しの葉子(池脇千鶴)は、知人の伝で文藝春秋社の試験を受ける。女学校を卒業したばかりで、仕事が必要だった。社長の菊池寛(西田敏行)がモダン好きと聞くと、母から借金をして初めての洋服を誂える。試験の日、会社の前で馬海松(西島秀俊)に「きっと受かるよ」と声をかけられた。彼もここの社員で韓国の貴族らしい。

<池脇千鶴さん合同会見レポート> 
―少女のような池脇さんが、年上のこの役を演じるのは大変だったのでは。
池脇千鶴さん(以下敬称略):この映画の舞台は全く知らない世界だったので、役作りの為に色々勉強しました。昭和の資料を集めてもらって読んだり、写真を見たりです。物語が実話をもとにしているので、それを調べたりもしました。
日下部プロデューサー(以下敬称略):葉子という女性は実在の人物で、元々作家志望で文藝春秋社に入った方です。映画の中の色々なエピソードも、実話に基づいていますが、この方が今もご健在なもので、プライバシーもありますから、全て描くわけには行かずその辺に留意しながらでした。馬海松さんというのも実際にいらした方だそうです。
池脇:難しい役だけれど、台本が良かったので出演を決めました。葉子は私から見ても魅力的な女性です。生き様がかっこいい。演じていて彼女の大胆さを学びたいと思いました。生きる為のしたたかさを持っていて、物書きにもなりたいし、愛にも正直だった。何一つネガティブに捉えないで、総てを前向きに考えて動いたからこそ、周りがいい方向に変わっていくんですね。開かないドアを壊して、敷かれていないレールを敷き、色々な奇跡を起こしていった人です。

―葉子は仕事を手に入れる為に嘘をつきますが、池脇さんも嘘をつく事がありますか。
池脇:常に付いている嘘は、監督から「大丈夫ですか?」と言われると、本当はまるで解ってない時でも、はったりで「はい、大丈夫です」と言う事です。
―演出の高橋伴明監督は、池脇さんのことを天才だと言ってらっしゃいますが。
池脇:特別な事は何もしていません。台本通りに演じただけです。高橋監督は現場であまり指示を出されません。でもスタッフがどう変わろうが、現場の皆を背負っていけるカリスマ性があります。出来る人ばかりというのもありますが、こう動いてとかの短い言葉だけでした。ただ100円もの大金を、「頂けません」と言いながら結局貰うシーンは、嫌らしくならないかと心配しました。あのシーンには、菊池寛の彼女への心からの感謝の気持ちがあるし、葉子のほうも文章が上手いと褒められて本当に感激している。でも間違うとそれが変に見える危険性があります。見た方に大丈夫だったよといって貰えたので、安心しましたが。葉子は正直で、場面場面で真剣に自分や周りに向き合って生きているので、演じていても矛盾が無かった。菊池寛は遊びも知っていて仕事も猛烈にしている。素晴らし過ぎる上司です。西田さんが本人なのか菊池寛なのか解らない位、役と一体化して演じてられました。

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(c)「丘を越えて」製作委員会2008

日下部:今回は西田さんもいつものアドリブをいれず、台本の通りに演じたそうです。
池脇:西田さんと親しくて、現場が終わった時に「局長!」、「局長!」と呼んでたら、西田さんが「『探偵ナイトスクープ』に呼ぼう」と仰って、本当に呼んで下さったんです。実はさっきまでそれの収録でした。
―池脇さんの芸能界における菊池寛のような存在は。
池脇:色々な監督や共演者に育ててもらったし、仕事を良いと褒めてもらったこともあります。でも、芸能界で私を引っ張って来てくれたのは、自分の会社の社長とマネージャーです。私を信じて、私のやりたいようにやらせてくれる。仕事の世界に自由に突き進ませてくれたのは、2人でした。
―もう1人の共演者の西島さんとはどうですか。
池脇:西島さんとは、扮装をして馬海松さんになったところでお会いしたので、西島さんと言うよりもすでに馬海松さんでした。本当にかっこよかったです。もの凄い映画青年で、東京の映画館では観に来てるのをよく見かけるらしいです。

―葉子は父親のような菊池寛と、素敵な馬海松の間で揺れますが、彼女のように2人の男性の間で揺れた事はありますか。演じられて一番切なかったシーンは。
池脇:過去にはあったと思います。一番切なかったのは、朝鮮半島に帰る馬海松さんと別れて帰ったら、家に来ていた菊池寛さんの歌が聞こえてくるところですね。西田さんの、もうこうするしかないといった風情の、泣き笑いの顔を見た時は本当に切なくなりました。
―昭和初期の素敵なお洋服をたくさん着ますが、一番好きなのは。
池脇:あの時代は帽子が大事で、付属品ではなく『帽子」として存在するんですね。色々なものを被っています。服も枚数が多いので、衣装合わせが大変だったけれど、楽しかった。でも素敵な服をたくさん着たのに、私が一番好きなのは着物です。衣装さんが、アンティークの本当に可愛い物を探してくれました。着物を着て、髪もおかっぱで、これは実はウィッグなんですが、机に向かって勉強しているシーンが一番好きですね。
―まさに葉子の江戸情緒ですね。関西出身の池脇さんが江戸弁を喋ってらっしゃいますが。
池脇:江戸弁の言葉遊びに惹かれて出演を決めたのもあります。でもテンポとかアクセントとか、どう喋ればいいか解らず、テープに吹き込んでもらって何度も聞いて覚えました。現場で監督にも教えてもらいましたね。駄洒落言葉も多いのですが、それぞれ面白い。「電信柱が高いのも、角のポストが赤いのも、みんな私が悪いのよ」と言って母親の怒りをそらすシーンが、可愛くて一番好きです。

―余貴美子さんのお母さんと素敵な関係ですが、池脇さんのお母様は。
池脇:私の母はもっと保守的だけど、いつも一人暮らしの私の事を心配してくれています。東京から関西の家に帰ると、お風呂の用意がしてあって、お風呂に入ってる間にお布団を敷いてくれてと、まるで仲居さんみたい。ビールも私しか飲まないのに買ってくれてて、最初は何でと思っても、そんなの見てたら(ああ、私はここで甘えても良いんだなあ)と安心して来て、色々な事を頼める。仲のいい親子です。
―昭和と言う時代を平成の今と比べてどう思われますか。
池脇:女性が生きにくい時代だったなあと思います。葉子の時代は、結婚して子供を産みと、普通に生きるしか女性には選択肢が無かった。仕事をして生きていくと男の人に潰される。でも明るい時代でしたね。この後に暗い時代が来るけれど、この映画の頃までは明るく楽しかった。この時代を描くと後の暗い戦争を匂わせて終わるものが多いのに、この作品はそれを匂わせながらも明るく終わっている。明るい時代の日本のこの人たちを、お見せ出来てよかったと思います。

<映画案内とインタビュー後記>
 この映画は昭和初期という時代と、その文化を引っ張った菊池寛とその周りの人々を、愛を込めて描いています。まだ封建的な時代に、果敢に男性社会に踏み込んでいく細川葉子、彼女を愛し始める人間臭い文壇の重鎮菊池寛、葉子を愛しながらも祖国朝鮮の近代化の礎になろうとする高等遊民の馬海松と、個性的な三者が恋の手前でもたもたする、複雑な関係も見所。「父帰る」とか「真珠夫人」の菊池寛は、芥川賞や直木賞の創設者でもあったのですね。しかも文藝春秋社社長として、色々な雑誌も出していた。ここでは「モダン日本」の創刊の頃が描かれています。先頭を切って職業婦人となり、洋装を颯爽と着こなしながらも、どこかに江戸の香りを残すと言う葉子そのものが、この時代そのものにも思えました。素顔には幼さの残る池脇千鶴さんが演じるからこその透明感で、二人の男性から愛される女性を、コケティッシュに誠実に存在させるが何よりの見所です。
 

   5/17(土)より梅田ブルク7、109シネマズHAT神戸で上映
   5/31(土)より京都シネマ、
   6月中旬より水口アレックスシネマで上映予定
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コメント


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昨夜偶然見た探偵ナイトスクープに池脇さんが同じ服で出てらっしゃいましたよ。書いてあるように、収録がこのインタビューの前だったのだと、驚いて・・・、お知らせします。池脇さんの自然な演技が好きなので、この映画ぜひ観たいと思います。芥川賞や直木賞を設置したと言う菊池寛にも興味があります。「真珠夫人」が菊池寛とは知りませんでした。

akiko | URL | 2008年05月18日(Sun)23:37 [EDIT]


そうか、こちらも記者会見だから、テレビと同じ衣装(普段着っぽく自然な感じだったけど)で回ってらしたんですね。ちなみにスタイルストさんもメイクさんもご一緒でした。地元のせいか、くつろいでらして、最後も気さくに手を振りながら帰っていかれたのです。
映画では大人っぽいのに、いつもの作品のように少女っぽくて、この方がよくあんな役を演じられたなあと、驚いて・・・・。でも質問には簡潔に答えてくださいました。
「父帰る」とか、お芝居で観た事はあっても、実は菊池寛の小説の記憶がはっきりとはないのです。雑誌の創刊とか、時代をリードした方のようですね。西田さんがちょっとユーモラスに演じてらして、楽しかったです。でもそれ以上に、池脇さんが可愛くて、西島さんがかっこよくて、あちこちから溜息が洩れていました。

映画のツボ | URL | 2008年05月19日(Mon)22:28 [EDIT]


 

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