太秦からの映画便り

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インタビューで綴るドキュメンタリーの上映案内

映写室 「カルラのリスト」&「バレエ・リュス」上映案内     
―2本のドキュメンタリー―

 この2本を同時に取り上げるのは、少し乱暴かもしれません。でも国連検察官のカルラも、伝説のバレエ団のダンサーたちも、その行動の裏には、ソ連の崩壊が影を落としています。貴重な映像やインタビューで綴った、2本のドキュメンタリーをご紹介しましょう。
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1.カルラのリスト 
 <この作品は、昨年10月1日>、日本が105番目の国としてICC(国際刑事裁判所)に加入したのを受けて、急遽公開が決まりました。ICCは「武力でなく法の支配する国際社会を作る」為の機関です。そこでどんな事が行われるかは、ICCの先例となるICTY(旧ユーゴスラビア国際刑事法廷)で、国連検察官として活躍するカルラの仕事振りから想像できるでしょう。今回始めてカメラを国際法廷に入れ、彼女を密着取材しました。

 <写真の意志的な目をした女性が>、カルラ・デル・ポンテです。彼女の仕事は旧ユーゴ領内で行われた戦争犯罪の首謀者たちを探して裁く事。2001年にユーゴ元大統領ミロシュビッチを拘束したように、時には国家さえ敵になる。戦犯と知りながら彼らを逮捕しないセルビア共和国政府を相手に、飴と鞭のタフな駆け引きが続きます。
 <誰もが納得する国際正義は中々履行>できない。つまり立場が違えば正義も違うと言う訳で、彼女が邪魔な勢力もいて、命を狙われる為に常に厳重に警備され、少数のスタッフと共に、スイス政府から借り受けた専用ジェットで飛び回っています。流行のファッションに身を包みながら、それらを吹き飛ばす圧倒的な存在感。精神も外見も毅然として隙を見せません。この強さこそが彼女に必要なものなのでしょう。


 <今「サラエボの花」と言う>、ボスニア戦争時に集団レイプされて生れた娘とその母親の物語が上映中ですが、スレブレニツァの虐殺等、この紛争には多くの悲劇がありました。戦争犯罪人を捕まえて裁いて欲しいと言う、母親達の願望をしっかりと受け止め、カルラは今日もタフな交渉を続けています。
 <日本のICCへの参加が遅れたのには>色々訳がありました。自国には起こりえないと思う呑気さや、国際問題への無関心さも一因です。でも加入早々、日本からも斉賀富美子さんが裁判官に任命され、経済支援だけでなく人材でも貢献する事に。この作品を観て、ICCで拉致被害者の救出に取り組めるかもと、一縷の希望を持ちました。


   関西では、第七芸術劇場で2月1日まで上映中
    時間等は直接劇場へ(06-6302-2073)


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2.バレエ・リュス―踊る歓び、生きる歓び 
 <この作品には年齢不詳の魅力的な人が一杯出てきますが>、彼らは全て「バレエ・リュス」(ロシア・バレエ団)の元団員です。「バレエ・リュス」は20世紀初頭のパリに花開き、伝説のダンサー、ニジンスキーを生みますが、29年天才興行師セルジェ・ディアギレフが死ぬと解散しました。でもダンサー達は世界中に散り、半世紀に渡って踊り続けます。アメリカ、オーストラリア、南米と、時と場所を越えてバレエ文化を伝承し、種を蒔きました。初めてバレーを見る人達にその美しさと感動を伝えていったのです。
 <2009年の100周年を前にバレエ・リュスが再び注目される中>、この作品は、かってのダンサー達にインタビューし、00年の100人近くが集まった同窓会の映像や、本邦初公開のものもある貴重なバレエのアーカイブ・フィルムを散りばめ、バレエ・リュスの歴史を浮かび上がらせる。20世紀のあらゆる芸術とエンタティンメントに影響を与えたバレエ・リュスの向こうには、世界的に有名な多くの画家や詩人、デザイナー、音楽家等が見え隠れします。
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 <団員達は、ロシア革命、2つの世界大戦>、その後の冷戦構造やソ連邦の崩壊と、激動の20世紀を祖国を離れて踊りました。どんな時も支えになったのはバレエへの情熱です。さすが鍛えぬいたダンサー達、もう相当の年齢のはずの、誰もの若さと美しさに圧倒されるでしょう。今もって全身からオーラを放ち、大胆かつお洒落なのが素晴らしい。
しかも過去に生きてはいず、今も舞台に立つ人もいれば、後進を教えている人もいる。でも今を生きながら、ひとたび昔を回想すると、まるで昨日の事のように細かい事まですらすらと話し始める不思議さ。鍛えた体で一瞬の美を生きるダンサーの上に、時間はどんな風に流れたのかと不思議な思いです。

 <バレエを通して20世紀の芸術史を見ながら>、踊ることを歓びとし、踊ることで人生を輝き続かせた彼らの生き方に感嘆するでしょう。
努力すれば年齢を輝きにする事もできると、勇気のもらえる作品でもあります。


    関西では、梅田ガーデンシネマで上映中。
          以降シネ・リーブル神戸、京都シネマで上映予定
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