太秦からの映画便り

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映写室 「コドモのコドモ」萩生田宏治監督インタビュー(前編)

映写室 「コドモのコドモ」
       萩生田宏治監督インタビュー(前編)
      
―奇想天外な話に見る子供たちの可能性―

 <(「コドモのコドモ」って?)と考えると>、何とも刺激的な題名だけれど、観終えた後に込み上げてくるのはユートピアを覗いたような温かさ。笑いながらもほろっとさせられ、無邪気な子供たちの可能性に目を覚まされる。
 <原作者は京都精華大学マンガ学部で教える>、さそうあきらさんで、編集者から「小学生にコドモを産ませてくれませんか」と言う唐突な企画を持ち込まれると、驚きながらも想像を膨らませて、04年5月から05年7月まで、復刊なった「漫画アクション」に連載し熱狂的な人気を集めた。この作品の世界観は、「子供の子供」じゃあなく「コドモのコドモ」というのがミソだ。今度全国のミニ・シアターを繋ぐ「シネマ・シンジケート」という組織が出来たが、「コドモのコドモ」はそこの第1回配給作品になる。さそうさんとは「神童」に続いて2回目のコラボレートとなる萩生田宏治監督にこの作品の撮影秘話等を伺います。

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(9月25日 大阪にて)

<その前に「コドモのコドモ」はこんなお話> 
 春菜はやっと初潮がおとずれたばかりの小学校5年生。祖父母と両親、高校生の姉と暮す、負けん気の強い今どきの子供だ。ある日気の弱いヒロユキと、興味本位で「くっつけっこ」をするが、新任教師の性教育で「これってあれのこと?」、「私妊娠したかも?」と思い始める。でも大人には言わない。次第に大きくなるお腹を抱え「私産むから」と言うと、クラスメートも赤ちゃんを守ろうとする。

<萩生田宏治監督インタビュー>
―春菜役の甘利はるなちゃんが、子供っぽくもあり小母さんのふてぶてしさも感じさせと、振幅があって魅力的でしたが、キャスティングはどうやって決まったのでしょうか。
萩生田宏治監督(以下萩生田):去年の8月から撮影をしていますが、脚本を練り始めたばかりのまだ初稿も出来てない4月頃からオーディションを始めました。40人位ずつ、のべ400人ほどに会ったんですが、その中で選びました。彼女はお笑いが好きでテレビの観覧番組に出ていた時、今の事務所のマネージャーの目にとまり、この映画のオーディションを受けたらどうかと言われて来た子で、オーディションを受けたのは今回が初めてのようです。人を惹き付ける力のある子で、彼女に出会えて幸運でしたね。1回20分のオーディションなんですが、他のキャストのオーディションにも毎回来て座っててもらいました。会った時から(春菜は彼女だ)と思っていましたが、撮影は春も冬もあって長い。辛抱できるだろうか、耐えられるだろうかと忍耐力を試していたんです。相手を替えながら本を読んでもらったりと、ずっとオーディションに付き合ってもらい、結果的に彼女とのバランスを考えて他の子供のキャスティングをしました。彼女は観察するのが大好きで、どんなものでもじーっと見つめ、自分なりの面白さを見つけて行く。不思議な力を持った子です。

―小学生が子供を生むという刺激的な内容ですが、現実的に子供たちは性についてどのくらい知っているのでしょうか。
萩生田:一般的にこの年代だと個人差が激しいでしょうね。男の子は全く知らないようですし、女の子は解かっている子もいない子もいる。もっとも解かっているとしても、それがどの位解かっているのかは解かりません。この映画に出演した子たちで言うと、撮影の前に先生に来てもらって、先生といっても大学生で色々なところで性教育の講義をしている方なんですが、1時間半くらい性の授業を皆で受けました。紙に針で付いて小さい穴を開けて、命の始めはこんな大きさなんだと見せるところから始まる。それがどんどん大きくなる過程でセックスがあると説明していく感動的なもので、性というと欲望の部分が大きいのですが、そこよりは命が誕生する過程という、現象としての捕らえ方に主体を置いた授業でした。

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© 2008『コドモのコドモ』製作委員会

―子供たちは性をどう思っているのでしょうか。
萩生田:逃げているんではないけれど、この映画の製作として性をどう考えるかはあまり重要ではなく、こういう子がいた時どうするかを大事にして映画を作りました。「JUNO ジュノ」から「14歳の母」があり今度は11歳と、映画で出産の低年齢化が起こっていて、其処が注目されるのは仕方がないのですが。春菜役についても彼女自身の考え方というのは聞いたことが無い。でも何をやろうとしているかは解かっていました。ただそれが性の認識とかいった事になると、何処まで解かっているのかはこちらには解からないままです。(小学生が出産する話なんて)とこのテーマに批判も出ていますが、それもしかるべき反応かなと受け止めています。ただその批判が子供たちにどう届くかをとても心配していて、この映画に出たことで子供たちがどんな目で見られるかには、最大限の注意を払って撮りました。ネットとかに出る誹謗中傷が、回りまわって学校とかで彼らの目に入ったらどうなるかとか、春菜のお母さんと連絡を取り合って心配しています。ただし、春菜本人がそれを心配しているかといったら、あまり考えてなくて、今彼女が心配なのは初日の舞台挨拶と学校の運動会が重なって、このままだと運動会に出れないので、当日東京は晴れて群馬の学校のあたりだけ雨が降って、延期になった運動会に参加したいという事です。逆さてるてる坊主を吊るすとか言っていました。

―子供たちの演技指導は如何だったのでしょう。
萩生田:今回は体験した事の無い事を演じるので、実際に追い込むのではなく、役として追い込むというか、役に入る時と出る時を作るよう配慮しました。5時になったら普通の子供に返るように、でも撮影中はこれは仕事だからねと言う風に説明して状況を作っていったんです。夏と冬のシーンの間に4ヵ月くらい開いていたのですが、冬になるとそんな事を僕が言わなくても、自分たちで自然に出来るようになりました。(犬塚芳美)
                                   <明日に続く>
   この作品は東京で上映中
   関西では、10月25日(土)よりテアトル梅田、京都みなみ会館、
                    シネカノン神戸で上映
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映写室 「コドモのコドモ」萩生田宏治監督インタビュー(前編):犬塚芳美

      ―奇想天外な話に見る子供たちの可能性―  (「コドモのコドモ」って?)と考えると、何とも刺激的な題名だけれど、観終えた後に込み上...
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journalist-net | 2008年10月24日(Fri) 07:31


 
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